アンナ・ヴィニツカヤやエリザベート国際コンクールで優勝して世界に出てきたピアニストです。ぞくっとする瞬間を作れる素晴らしいピアニストだと思っています。5年ぐらい聴いてないんですけど今もそうだと思います。たぶん。
ヴィニツカヤがコンクールについて語ったページを見つけましたので、かいつまんでご紹介します。「コンクールの世界」と題した小冊子、それが、出たよ出たよ、無料で見られるよ、というのを見つけたので、さっそくpdfをダウンロードして読んでみたのですが、その中に書いてあったのです。
pdfまるごとまるごと読みたい人はこちらから:
https://www.pianostreet.com/The-World-of-Piano-Competitions-issue-1-2019.pdf
ではヴィニツカヤのコメントをお読み下さい。
●エリザベート国際のあと、自分の人生は変わりました。凄まじい数のオファーが来たのです。これでは続かないなと思った。今自分はコンサートの回数は年間45回ぐらいにしている。教えることもしているからです。
●教えることが面白い事だとは思っていなかった。生徒達はみな想像力豊かで面白いアイデアを持っています。生徒達からいつも学んでいます。ただし生徒達には、音楽のない人生が全く考えられないのであれば、音楽家になることを考えるように言っています。あなたは本当に、自分の人生すべてを音楽に捧げられますか?
●人には本当にいろいろな生き方があります。コンクールを受けたくない生徒もいます。自分の生徒でも結局政治の世界に飛び込んだ人もいます。そしてそれは尊重します。結局何をしたいかは自分が決めることなのですし。
●コンクールに優勝したってそれはあなたのキャリアを何一つ保証するものではありませんし、事務所をそれによって見つけられるわけではない。運の要素がありますし、審査員の好みもあります。そして、コンクールに優勝した後に悲惨なことになるピアニストもいます。レモンのように完全に絞られてしまい、舞台からいなくなってしまう。そうなったら音楽事務所はすぐに次のレモンを見つけます。
●コンクールの準備することは役に立つたくさんのものをもたらしてくれます。たとえば、秩序だって学ぶこと。それは将来あなたの資産となります。
●作曲者の書いたことを守らないピアニストは沢山いるけれど、ラフマニノフの協奏曲を本人以上にうまく弾ける人はいません。
音楽家になりたい、って心から思わない限り音楽家にはなってはいけない、ってよく音楽家の人たちから言われるコメントです。自分も結局そこまで思い切れなかったかな・・・。
でも自分の人生の自分にしか作れないし、音楽家じゃなくても素晴らしいと振り返った時に思えるような生き方が出来れば、それでいい。