世の中ピアニストがむちゃくちゃいまして、コンサートもものすごい数が開催されています。
そんな中で自分を目立たせようと思ったらどうすればいいのだろうかと、皆頭をひねっていますね。昨日も少し触れましたが、全翌演奏会とか長いコンサートもそうです。
でもクラシック音楽だけですかね、2時間がデフォルトになっているのは。ロックのライブだって4時間越えたりするのはたくさんあるわけですから。いや、オペラは少し長いですけど。なぜクラシックのコンサートは2時間なのでしょう?
じっと座っていられる限界が2時間ぐらいなんですかね。不思議に思ってググってみましたが、とくに説得力のある理由はみつからなかったです。なんとなくの習慣ですかね。
「映画 2時間 なぜ」とか調べるとうじゃうじゃ出て来ますがね。ただ、集中力がもたないからとかそういう意見もありましたけど、興行的な理由でそうなっている、というコメントが多かったです。映画は一日何度も上演するからね。でもクラシック音楽は1日1回が基本ですよね。じゃあますます2時間で縛る理由はないですよね。
昔のクラシック音楽のコンサートはもっと長かったのはご存知ですか。ショパンやリストの時代のプログラムを見ると、これ一体何時間かかるのというようなものが多いです。それとかベートーヴェンのコンサートとか。
出演者もめちゃくちゃたくさん必要だし、採算合わないよこれ、みたいな公演がいっぱいあります。現代のオーケストラには組合があって、一日のコンサートで何分以上は演奏しない、とかそういうルールもあるから、今こういう演奏会をオーケストラでやるのは簡単ではありません。
でもピアニストなら、本人さえよければ弾きたいだけ弾けます。例えば19世紀の巨匠、アントン・ルービンシュタインは12曲ぐらいベートーヴェンのソナタを一日で弾いたりしていたようです。
ソースないかなと思って調べて見ましたがさすがに12曲は見つかりませんでしたが7曲がありましたよ。1885-86シーズンで演奏したプログラム一覧。その中にベートーヴェンのソナタ7曲というのがありました。Guide to the Pianist’s Repertoireという本です。
URLがすごく長かったので縮めてありますが。以下のリンク
https://goo.gl/GKSnfC
そこに書いてあったのは、以下の7曲。カッコの中の数字はナクソス・ミュージック・ライブラリーで調べたおおよその演奏時間。
ルービンシュタインがどんなテンポで弾いていたのか、繰り返しをちゃんと弾いていたのか、とかは判りませんけど。
第14番 Op.27-2「月光」 (15)
第17番 Op.31-2「テンペスト」 (25)
第21番 Op.53「ワルトシュタイン」 (26)
第23番 Op.57「熱情」 (25)
第27番 Op.90 (13)
第28番 Op.101 (22)
第32番 Op.111 (26)
ざっと計算すればわかりますがこれ、弾くだけで152分ぐらいかかります。休憩を入れて、あと、きっとアンコールも弾いただろうから、まあ大体3時間ですね。長い。
しかも重量級のソナタが並んでいるので演奏もかなり大変なのではと思うのですが、12曲弾ける人だったのですから、たった7曲ぐらい軽々と演奏したんでしょうね。