世界のピアノ・コンクールが変わらなければならない理由

コンクール、ピアノのコンクールだけで世界中に「メジャーな」と呼ばれるものが一体どれぐらいあるのでしょうか。ここに書かれている記事によると120以上もあるそうです。

それだけあったら、受ける方はどうしようか、どれを受けようかと悩みます。そして、それだけではない。コンクールの側には、自分たちの存在の意義が問われます。他のコンクールとどのように差をつけるのか?どうしたら将来の大ピアニストとなるようなピアニストたちを集められるのか?ほかのコンクールと同じような課題曲を演奏させ、評価し(そしてその「評価」がしばしば論争を引き起こす)、順位をつけ、似たり寄ったりな賞金を与えて、ごほうびのコンサートがいくつかあって・・・はいさようなら。

そういうコンクールはこれからはしんどいでしょう。もちろん世界のトップ中のトップと呼ばれるコンクールであれば、メディアなどからも広く注目されているので、それでもまだ良いかもしれませんが、そうじゃないコンクールはどうするか?

コンクール側にも人を惹き付ける魅力あるプログラミングが求められる時代です。そうでなければ人は集まらない。人が集まらなければカネも集まらない。回っていかないっすよ。大変です。

先日、ショパン国際コンクールと同じ日に結果が出たホーネンス(カナダ)の国際コンクールはその意味で頑張っているといえます。

Honens International Piano Competition
http://www.honens.com/

受賞者には・・・このコンクールに順位付けはなくて、ファイナリストから1人受賞者が選ばれるだけなのですが、受賞者には、賞金10万カナダドル(日本円で現在の価値で約916万円)が与えられます。巨額。かつ、ホーネンスの事務局が受賞者のマネージャーとなり、3年間で50万ドル相当のコンサートを提供する、ということになっているのだとか。

しかも審査の内容がおもしろく、ピアノソロ演奏だけでなく、室内楽、伴奏、さらにはインタビューへの受け答えも採点対象になるのだとか!!プロのピアニストとなるための条件を幅広く網羅している内容だといえます。ただ指が回るだけの演奏家はいらない。そういう人たちは他のコンクールへどうぞ、と言っているかのようです。見事に差別化されている!!

前回2012年にこの賞を獲ったパヴェル・コレスニコフ(http://pavelkolesnikov.com/)はコンクールのバックアップもあり、現在ぽつぽつと名前を見るようになってきました。日本にも来ています。また2014-2016年のBBCニュージェネレーションアーティストに選ばれていたりしますので、キャリア支援が彼を助けているということはよくわかります。

こういうタイプのコンクールが日本でも出てくるといいんですが。なかなか既存のコンクールは変化することが難しいですよね・・・。あっ、ねもねも舎が作りましょうか?・・・えっ、つくっちゃう?(以下漫画参照。)

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「変化が欲しいと思って居る人!」「(自分が)変化させたいと思って居る人!!」