それにしてもトリフォノフの人気、すごいですよね。こないだもカーネギーホールでの公演もソールドアウトだったようですし、あちこちの重要なところで名前を見ます。
アルゲリッチのコメント、彼は必要なもの全てを持っている、でしたっけ?も効いているかもしれないですけれど、それにしても一気に大スター。すごいことです。
チャイコフスキー国際コンクールで優勝したからといって、こんなにガツンと来る人もあまりいないでしょう。こないだ優勝したマスレエフは、たぶん落ちていくでしょうね・・・。第2位のジョージ・リーの方がマスレエフよりも明らかに優れたピアニストですが、でもトリフォノフのように爆発はしないでしょう。
ジョージは・・・病的なところがないんですよね。あっけらかんとしていて、裏表がなくて、いい人なんですよ。そんな健康的なジョージよりも、なんだかわからないけど、病的なトリフォノフのようなピアニストに、人はより惹かれる、のではないか?と勝手に思っています。
トリフォノフは、演奏姿勢はよろしくないし、ミスタッチも少ないとは言えないし、弾き飛ばし、音のヌケもわりとあるのですがね・・・。
そんなトリフォノフの新しい録音が来年2月にリリースされるようですが、いいですね、ラフマニノフのピアノ・トリオ。
それとクライスラーが編曲したピアノとヴァイオリンのためのピアノ協奏曲第2番の2楽章。この編曲作品には「プレギエーラ」(イタリア語で「祈り」)というタイトルがついているんですが、そして、アルバム全体のタイトルとしても採用されているのですが、この編曲、ピアノで聞き慣れた響きが奇妙になるので面白いですよね。
トリフォノフとかクレーメルとかに興味のない人も、一度聴いてみたいと思うのではないでしょうか。だいたいラフマニノフのピアノ三重奏曲からして、結構レアキャラですし。
クライスラー編曲の「祈り」クライスラー本人の演奏はこれ。これもレアキャラ。ポルタメントがなまめかしいですな。