富士フイルムみたいに気がつけばフィルム会社から全く別の会社に変貌したみたいなケースもありますけど、そういうのはクラシック業界ではなかなかないと思います。
CDレーベルも苦しんでいる。富士フイルムみたいに変われるポテンシャルを、もしかすると持っているのかもしれませんが、いまのところ劇的な変化を打ち出してきた会社はないと思います。
昔はバーンスタイン、ニューヨーク・フィル、ベートーベン、英雄、とかレコードに書いて売りに出せば売れたんですよね。でもいまはそもそもさっぱりCDもレコードも売れない時代。そんな抽象的?な文言だけでCDが売れれば苦労はしない。でもCDレーベルはなんとかして利益を出さないといけない。
だからなんだと思いますけど、戦略の一つとして、クラシック音楽の新譜にタイトルをつけちゃう。ポップスやロックみたいに。
最近、気がついているのですが、ドイツ・グラモフォンはCDにタイトルをつけることが増えているように思うのですが気のせいですか。
エレーヌ・グリモー、アリス・オット、トリフォノフのアルバムなどにタイトルがついていますね。アリス・イン・ワンダーランドだとか、ナイトフォールだとか、今度出るデスティネーション・ラフマニノフ(訳しにくいけど、直訳するとラフマニノフ行き)だとか。
アリス・オットのナイトフォール(夕暮れとかそういう意味です)というタイトルのアルバムの宣伝:
トリフォノフの場合は本人も面白がっているのか、変な(変なとか言ってすいません、でもやっぱり変なんだもん)ショートフィルム風の映像も作って宣伝してます。まるでポップスみたいだ。
でもなんか、あまりいけてないと思うんですよね。この映像なんか違和感あるんすよね。
こっちはその映像とかアルバムに関するインタビュー:
いやーなんか違和感あるな。
いやいや、反対するなら代案出せよって言われそうですね。多分そうですよね。・・・・きっと無能な自分は代案出せないから、うーん、と思いながらも、わかりました、って企画会議で同意しちゃうかなあ。何にもしないよりはした方がいいですもんね。
汽車の中でピアノ協奏曲弾いたら揺れて揺れて演奏しにくいんだと思うけどなー、、、、って全然関係ない所の突っ込みですいません。四季島でピアノ弾いてる人のコメント求む。
トリフォノフはもともとすごく真面目な人だと思うのですけど、こっちのほうが売れるからと言われてその気になったのでしょうか。どういう経緯でこういうアルバム作るようになったのか、実際に売れ行きはどうなのか、そのあたりをグラモフォンの人にいっぺんインタビューして聞いてみたい。そう、売れてるかもしれないし!
テイラー・スウィフトやケイティ・ペリー、ジャスティン・ビーバーみたいにとまではいかなくとも、クラシック音楽もそこそこ爆発的に売れたらもっと心が休まると思うんですが無理でしょうか(売れたら売れたで心休まらない場合もあり)。
グラモフォンから出る新譜が全部そうなのかというとそうでもなくて、たとえばダニエル・ロザコヴィッチ(まだ10代のヴァイオリニストです)の新譜↓は通常通りだから、常にこれで行こうと決めているわけではなさそう。