まさかと思うような驚きのニュース。ほんとうに、まさか。
まさか、クリスチャン・ティーレマンがコンクールで指揮をするとは。考えもしなかったような衝撃的なニュースであります。
リストゆかりの地ドイツで開催されるリスト国際コンクール・ワイマール=バイロイトのファイナルで指揮するそうです。ことしの11月9日。レパートリーは、ピアノ協奏曲1、2番、そして死の舞踏。この3曲のうち2曲を演奏する。
コンクールの参加申し込みはまだ可能なようですから、我こそはという若者、行ってきてください。申し込みはここからな。
デッドラインは3月15日(木)ですよ。あと3週間ある!
ティーレマンをご存じないという方はここにはあまりいないと思いますけれど、ドイツの指揮者。ベルリン・フィルの次期監督有力候補だった大物。バイロイト音楽祭の常連。ドレスデン・シュターツカペレの音楽監督。ドイツものに強く、分厚い音をオケから引き出す手腕は傑出している。
独特な髪型をしていて、(多くの指揮者がそうだと言われますが)難しい性格、しかもかなり難しいと噂されており、まさかコンクールで指揮するような事をするとは思ってもみなかった。いやはや、承諾したティーレマンにもびっくりだが、だれがこのフィクサーとして活躍したのかも、気になるところ。
ちなみにティーレマンはもう一つ意外な行動を取る予定になっているのですが、それが来年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートを振るということ。ウィンナ・ワルツはうまくなさそうなんですが、大丈夫か。
ウィーンの話はとりあえず置いてくとして、ティーレマンの指揮で演奏出来るとなると、我こそはと思う野心に満ちた若者が集うかもしれない。このコンクール出身のスーパースターはまだいませんから、コンクールのランク、知名度を上げるのにこれ以上の存在はないかもしれない。
ピアニストがソリストとして成功する秘訣の一つに「有力な指揮者に気に入られる」というのがありますから、そりゃあティーレマンに気に入られたい、と野心ある若者が集まってきたとしても何の不思議もない。コンクール宣伝のための絶好の飛び道具、それがティーレマンなのである。
ちなみにリスト国際コンクールというのは少なくとも世界中に3つあって、一番有名?なのはオランダのハーグで開催されているやつ。あとリストの母国ハンガリーのブダペストで開催されているのと、これ。
リストはショパンと並び称されるぐらいの存在なのに、ショパンコンクールばっかり人気があってリストコンクールの人気がないのは残念。まあ実際ショパンを聴きたい人はたくさんいても、リストを聴きたい人は格段に少ない、という面もありますからね・・・。
しかしなぜにワイマール=バイロイトなのか。一次と入賞者記念コンサートがバイロイトで、二次、セミとファイナルがワイマールで開催されるから、と言えばそのままなんですが、遠いよね。車で2時間ぐらいと結構離れてますしね。多分両方で協力してお金を出し合ってやっているんですよね。コンクールってお金かかりますもんね。ティーレマンの出演にはもしかするとものすごいお金かかっているかもしれませんしね。・・・そう考えると諸刃の剣・・・か。