先日のブログで、コワセヴィチが現代のコンクールでは優勝する必要がない、と言った、という話を掲載しましたけれども、それがやはり現実であるということを立証するケースがこれです。
そのブログでも触れましたけれど、今年のチャイコフスキー国際コンクール第4位に入賞したフランス人ピアニスト、リュカ・ドゥバルグLucas Debargue(上写真)が、アメリカ最大の事務所、コロンビア・アーティスツと契約を結んだとコロンビアのサイトで発表がありました。
リリースはこちらのページです。
コロンビア・アーティスツという巨大組織
この事務所はご存知、泣く子も黙る敏腕マネージャー、ロン・ウィルフォードが率いた事務所で、カラヤン、アバドや小澤征爾などを擁し、一時期は比類なき強い力を持っていたところです。※ロン・ウィルフォードことロナルド・ウィルフォードは今年8月に87歳で死去(テレグラフ紙の記事はここ)。
現在も、その力は影ってきているとは言われるもののなお強力で、ゲルギエフやレヴァイン、ルイージなどの指揮者たちが所属している。ピアニストではポリーニ、プレスラー、ラン・ラン、マツーエフなどの名前が並びます。
今後ドゥバルグの名前を見る機会は増えるだろう
ここに名前を連ねたことで、ドゥバルグは一流の仲間入りを果たしたことになると言えるでしょう。今後彼が順当に成長を遂げて行く限り、ドゥバルグという名前を大きな場で見る機会が増える可能性は高いのではないかと思われます。
コロンビア・アーティスツはまた、出演料が高額なのでも有名。その分アーティストは手厚く庇護され、富や名声を得ることも可能になるますが、主催者や聴衆にとっては、その高額な条件がチケット代金として跳ね返って来ることになるので、手の届きにくい存在となります。ポリーニの日本のリサイタルとか、チケット代金がむちゃくちゃに高いですよね。この意味では残念ですが、新しい才能が花開くことは楽しみにしたいです。
ドゥバルグ、誰か日本に呼ばないかな。え。われわれねもねも舎が・・・呼んじゃう??そのうちまた、ね。