ソコロフのリサイタルで雨漏り

悲劇だと思うのです。雨漏り。しかもよりによって?ソコロフのリサイタルで。これは主催者にとって結構な悲劇だと思うのです。あああ。

主催者はザルツブルク音楽祭。ソコロフのリサイタルは8月8日。前半の演奏中に大雨が降り、そして2列目ぐらいから雨漏りしたという恐ろしいお話しでした。直撃を受けた何人かが演奏中に待避、客席も一気に凍り付いたはずですが、ソコロフは平然と演奏を続けたそうです。

どうもソコロフが気付いていなかったようだ、とこの記事では書かれていますし、この速報をシェアしているレブレヒトのブログを見ましても、気がついていないようだった、と書かれています。

https://www.newcriterion.com/blogs/dispatch/greatness-in-salzburg-plus-rain-9690
http://slippedisc.com/2018/08/rain-pours-in-on-a-salzburg-festival-recital/

仮に気がついて居なかったとして、だが休憩時にそれを本人に言った人がいるのかどうか?が気になるところですね。むしろめちゃくちゃ気になる。

ご存じの方もおられると思いますが、現在世界最高のピアにストとして君臨するソコロフは、たいへん難しい人としても知られています。「雨漏りしましたごめん」と主催者が本人に休憩中に伝えて怒り始めたら?もう弾かないと帰ってしまったら?

いやーこれはかなりきつい選択肢ですね。本人に言うかいわないか。黙っていて後で本人に漏れたら?うん、自分が主催者だったら、言うを選択するかな。あとでばれてもう二度と来ないとか言われる事の方が怖い気がするんですけどどうでしょう。

もちろん、雨の直撃を受けたお客様への対応も必要です。クリーニング代とか出すのでしょうか。こちらも誠実な対応が必要なような気がしますが、主催者が謝るのか、劇場が謝るのか、あるいは不可抗力だからねと開き直って両者とも知らんぷりするのか。意外と三番目のチョイスを取ってたりして。

なお、この日のアンコールでショパンの雨だれを弾いた事がまた話題になっていたりしますが、これは今シーズンのいつものアンコールだそうなので、単なる偶然です。