建設中からわりと話題を持って行っていたと思うベルリンのピエール・ブーレーズ・ザール。先週、3月4日にバレンボイムの指揮でオープンしました。ハノーファーのエルプフィル、パリのフィルハーモニーなどに続いて、新しくてへんてこな形のホールが出来ましたというわけです。ここは室内楽サイズですね。ブーレーズの名前が冠されているぐらいなので、ブーレーズの作品をやるのに最適なサイズ、を目指したのか。
バレンボイムが熱心に関わっていて、この先シューベルトのピアノソナタシリーズやらアルゲリッチとのデュオコンサートやらで登場することになっています。
特徴的なのは、ホールが楕円形をしていて、客席がステージをぐるりと囲む形状になっていること。
ホールの設計はフランク・O・ゲーリーというから、どんだけぐにゃぐにゃな作品かと思えばそれほどでもないね、という印象を持ってしまうのは、フランク・ゲーリーの脱構築にやられてしまっているからでしょうか。フランク・ゲーリーの作品を見たことがない人が見れば十分おかしな形をしていますでしょうか(フランク・ゲーリーの作品を見たいならこことかご覧下さい)。ロサンゼルスのウォルトディズニーホールとかも作った人です。フランク・ゲーリー、もう88歳なのか・・・。
それほど変ではない、ごくまっとうな建物に見えますが、2階席は地面が波打っています。つまり足もとがななめです。これって・・・地味にじわじわくるんですよ。身体が微妙だが傾いちゃうので肩が凝る(気がする)。ミューザ川崎シンフォニーホールってありますよね。あそこもなめの席がたくさんありますのでそこと感覚は近いでしょう。肩が凝る・・・なんて気のせいのようにも・・思いますけれど。
もう一つ注目すべきは楕円形というその形ですよね。クラシック音楽のホールに「舞台後方の席」というのは多く存在していますが、楕円形で、どっちが前か後ろなのかを自由に出演者が決められるというのはなかなかないですかね。
現にバレンボイムのシューベルトのコンサートとか、チケットまだ売っているのをちょっと見ましたが、どっち側を向いて弾くとは書かれていないようです(書かれていたら教えて下さい)。あてずっぽうでチケットを買って、変てこな向きだったら残念に思うかな。音響は、バレンボイム曰く「奇跡的」らしいので、どこに座ってもかなりいいのかもしれませんが、やっぱり聴衆としてはどの角度からみるか、とか気になると思うんですよね。
それにピアノのコンサートの場合、ピアノには蓋がりますし、確実に音は一定の方向を向いて飛んでいく傾向にある。蓋を外して演奏するのかな?そうでもないのかな?座ってみたら蓋が邪魔で全く何も見えなかった、なんてことになるとやっぱりそれは残念かも。
あらかじめ楽器がどっちを向いているか、の表示はあったほうがありがたいでしょうね(書かれていたら申し訳ありません)。
東京はコンサートホールが明らかに多すぎるのでこれ以上増えないで、という思いもありつつ、なんかこう、わくわくするようなホールが出来るのも何だかうらやましいよね、とも思う今日この頃。