ペライアの人気は上昇してきたのか?

マレイ・ペライアがドイツ・グラモフォンと録音契約を結んだというニュースがありました。長い間ずっとCBSからのおおお、ソニーだったのですが43年目にしてグラモフォンへ。どうしてでしょう。多かれ少なかれ大人な事情があったんでしょう。

ドイツ・グラモフォンのサイト:
http://www.deutschegrammophon.com/gb/artist/perahia/

マレイ・ペライアは今年で70歳。そのむかし、遠回しにホロヴィッツの批判を口にしたわりとすぐ後にホロヴィッツに会う機会があって、ホロヴィッツはそのコメントを知っていて、それでもなおかつペライアをもてなした、ペライアは非常に恐縮した。とかいう話を読んだことがあります。

ホロヴィッツは超絶癇癪持ち&スーパーシャイな人で有名でした。自分が間違っているということを指摘されても逆ギレ上等!いつだったかはスタインウェイ?かな?のえらいさんをえらい目に合わせたこととかもあったようです。つねにハラハラ、腫れ物に触るような対応が必要だったとか。

なお、私の知り合いのピアニスト(アメリカ人)は超がつくほどのホロヴィッツマニアで、あるときマンハッタンでホロヴィッツを見つけ、楽譜にサインをおねだりしたらしいですがにべもなく断られたそうです。その楽譜というのが・・・ホロヴィッツ編カルメン変奏曲。

いまでこそネット上でカルメン変奏曲の楽譜は容易にゲットできますが、昔は(1970年代のころのお話だそうです)「耳コピ」ですよ。レコードを聴いてそれを楽譜に起こすんですね。相当耳が良くないと出来ません。耳がいいんですよ、そのピアニストは。で、本人に見てくれよ、サインくれよ!とやってみたが拒絶をくらったという悲しいお話でした。

うーん、また話が飛びました。ホロヴィッツはペライアのコンサートをよく聴きに行っていたようです。ペライアの事を高く評価していたのです。ただし、弾き振り(協奏曲におけるピアノと指揮者の兼任)だけは評価していなくて、本人に向かってやめた方がいい、といったとか。

うん、あれは調律師フランツ・モアの本だったかな。25年ぐらい前に読んだ本です。ああ!25年も前!!光陰矢のごとし。嗚呼、嗚呼。アーメン。

ペライアはジャパン・アーツが日本に呼んでいますが、日本ではなぜかあまりチケットが売れないということでも知られていました。今年も公演があるよね。サントリーホール公演はまだまだ余りがありそう。

しかし、浜離宮朝日ホールでもリサイタルをすることになっていて、チケット代金は何と17,000円!うおおおお、高い!!と絶句しかけるのですが。こちらの公演はどうも売れ行きがよさそうなので驚きです。もちろん、浜離宮朝日ホールは552席、サントリーホールは2006席、という違いも考えないといけませんが、浜離宮のサイトからチケットを買おうとすると状態が△(まもなく売り切れ)になっている。

マレイ・ペライア ピアノ・リサイタル(浜離宮朝日ホール)
http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2016/10/event555.html

ということは、ペライア人気も、上昇してきたのでしょうか?だとしたら嬉しいことです。間違いなく素晴らしいピアニストですから。