ニューヨーク・タイムズ紙に、今年の25の録音、より正確には今年の25のトラック、という記事が出ていまして、さらに正確にいうと26トラックあるらしいのですが、26トラックがニューヨーク・タイムズ紙の批評家たちの手によって選別され、掲載された。
https://www.nytimes.com/2018/12/13/arts/music/best-classical-music-tracks-2018.html
しかも驚くべき事に、そのトラックがまるまるその記事の中に埋め込まれたプレイヤーで聞くことが出来るのであります。
こんなことってあり得るのでしょうか。かつてはこういう場合「抜粋しかも3分以内」とかそういうばっかりだったように思うんですが、1つのトラックに限定しているとはいえ、曲の全部を聴くことが出来るというのは驚き桃の木山椒の木であります。古くてすまん。
試しにアンスネスのバラード1番を聞いてみよう。うん、途中で遮られたりすることなく全部聴けるは。確かに音質は最高ではないけど、十分聴ける(←個人差があります)。
マイナーレーベルに限定されているわけでもなく、一様にトラック全部を聴ける。これはどういう事でしょうか。もうみんなやけくそになっているのかな。「3分とかに制限してもしなくても売り上げに変化がない」という事なのではないでしょうか。むしろCDが売れるのはコンサート会場ですからね。ストリーミングなんて雀の涙ぐらいの額にしかならない。
録音業界も新聞業界も先行きが厳しい中いろんな生き残りの策を考えているはずですし、合理的なアメリカ人ですから多分検証、実証された結果のこれなのでしょう。多分。・・・誰か偉い人、教えて!
いやはや、面白い。
というわけでニューヨーク・タイムズ紙の強面批評家たちが選んだ今年の26トラックのうちピアノに関係あるのは以下の通り。
Bach: Fugue in A minor
“Bach: Solo Piano Works”; Vikingur Olafsson, piano (Deutsche Grammophon)Bernstein: Symphony No. 2 (‘The Age of Anxiety’), ‘The Masque’
Krystian Zimerman, piano; Berlin Philharmonic; Simon Rattle, conductor (Deutsche Grammophon)Chopin: Ballade No. 1
Leif Ove Andsnes, pianist (Sony Classical)Kris Davis: ‘Eight Pieces for the Vernal Equinox,’ ‘Choisya’
“Clusters: American Piano Explorations”; Rory Cowal, piano (New World)Liszt: ‘Solemn March to the Holy Grail’ from ‘Parsifal’
“Life”; Igor Levit, piano (Sony Classical)Messiaen: ‘Loriot d’Europe’
“Catalogue d’Oiseaux”; Pierre-Laurent Aimard, piano (Pentatone)Stockhausen: ‘Klavierstück VI’
“Klavierstücke I-XI”; Sabine Liebner, piano (Wergo)
最後のシュトックハウゼンなんて45分あるんだからな。
で、さらにここから1曲だけ選ぶとしたら、どれにします?私は・・・・。