以前ウィーン交響楽団のサイトのアーカイブが面白いと書きましたが、とある方からニューヨーク・フィルのアーカイブも凄いよと教えてもらいました。見てみました。いやいやいや、相当すごいです。ウィーン響を・・・凌駕している!!
New York Philharmonic Digital Archives
http://archives.nyphil.org/index.php
昔のプログラムが見られるのは同じ。しかしニューヨーク・フィルはそれに加えさらに、配布されたプログラム、写真の検索もできる(人名で検索可)。楽譜の検索も出来る。パート譜の検索もできる。過去のビジネスレターも読める・・!!1842年からの・・・!!
さあこうなったらねもねも舎止まりませんね。さっそくいろいろ入力しては遊んでみました。グールドも結構共演しているな、とか思いましたけど、あえて一つだけここで書くとすれば・・・やっぱホロヴィッツ。はい、伝説のアメリカデビュー公演のプログラムも見れました。これ。そう、指揮はビーチャム「アメリカ初登場」と書いてあるのと、紹介のところで「アシスティング・アーティスト」となっているのがむちゃくちゃ興味深い。
いまならソリストを「アシスタント」なんて書くことは絶対しませんね。あくまでもピアニストは指揮者をアシストする存在だったのでしょうか。少なくともアメリカでは未知の若者ホロヴィッツの場合はそうだったのでしょうね。
この公演でホロヴィッツはビーチャムのテンポの遅さにブチ切れて最終楽章無茶苦茶早く弾き、オケよりもずっと早く最後の音符を叩いたと。会場は沸きに沸いたと。と、いうのが世に広く知られる逸話でございますね。さすがに写真は残っていませんが、プログラムを見られるだけでも嬉しい。
しかもプログラムの中の文字検索機能もあって、horowitzと入力した所がたった2箇所しかヒットしない(解説文の中ではいっさい触れられていない)あたり、隔世の感であります。まあこの当時ホロヴィッツなんて誰もしらないわけで情報も無いでしょうし、書きようもなかったでしょうけど。
こういうこと(アーカイブの整理、スキャン、アップロード、タグ付け、権利関係をクリアにすることなど)は時間もお金も、とてつもなくかかるのですが、さすがニューヨーク・フィル、お金も人も足りているんですよ。最近、東京藝大に寄贈された凄まじい数のSPレコードを整理するお金がないよ!というクラウドファンディングがありましたが、まったくもって羨ましい世界ですね。
クラウドファンディング、まだやってました。
音楽ファンなら絶対一読して下さい。
https://readyfor.jp/projects/geidailibrarysp
当初目標の500万円は突破!素晴らしい。次なる目標の800万円が設定されてます。
話をニューヨーク・フィルに戻しますが、どうやらジュリアード音楽院のどこか1フロアー?が全部このニューヨーク・フィルの書庫?だかになっているだかで、それをいま猛烈に整理している、という状態のようです。今もじゃかじゃかアップロードしているとサイトに書かれていましたから。バーンスタインやマーラーが使った(書き込みをした)楽譜とかもスキャンされていて見ることが出来ます。やばい。自分で役立てられるかどうかは解りませんがというかむしろ自分なんかには猫に小判ですが。
しかも将来は録音が聞けたり映像も見られるようになりそうなサイトに作りになっていますよ。衝撃としか言いようがない・・・。権利関係はものすごく複雑でしょうが、そういう事もクリアにしていくのでしょう。裏山。