日本ではあまり話題になっていませんが、イスラエル・フィルの音楽監督が替わります。若いイスラエル人のピアニスト・指揮者になります。2020年から。
イスラエル・フィル公式
https://www.ipo.co.il/
イスラエル・フィルと言えばメータ。1977年からはメータがずっと音楽監督だったのですが(終身音楽監督だった)、このたびそのポジションを降りることになった。
そこで次期音楽監督選びが進んでいたのですが、テルアビブ出身の若者、若干29歳がその座を射止めたわけです。うむ。若い。(といっても既にロッテルダム・フィルの首席指揮者にも指名されている。今年秋から。)
若い人を出そうという意識が人々の間にあって、実際そういう動きをするってすごいなことだなと思います。実績がそんなにないなか監督を務めるって相当なチャレンジですよね。選ぶ方も選ばれた方にとっても。日本ではなかなかこうはいかないかな。
どちらかというとこういうケースの場合、指揮者に教わると言うよりも、指揮者をみんなで育てて行こう、みたいな感覚なのだと思うのです。新しい血を入れることで若返りを目指す!って事でしょうね。メータの時代、長かったしね。ラハヴ・シャニは小さい頃からイスラエル・フィルと関係があったようですし、メンバー含む関係者も暖かいめで見てくれることでしょう。
ザ・タイムズ・オブ・イスラエル紙によると本人はこういうコメントを出しています:
“It’s a tremendous honor for me to be appointed the musical director of the symphony orchestra and to continue in the path of a mythic figure like Zubin Mehta,” said Shani in a statement Wednesday.
“This orchestra conducted my musical development from a very young age, and my close connection with the orchestra has guided me for all of my artistic life.”
https://www.timesofisrael.com/lahav-shani-29-to-succeed-zubin-mehta-as-head-of-israel-philharmonic/
「ズービン・メータのような神がかった指揮者の道を引き継ぐことは、ものすごく名誉なことだと感じています。このオーケストラは、私がとても小さかったころから私の成長を助けてくれる存在でした。このオーケストラとの近しいつながりが、私の音楽人生すべてを導いてくれた」
同じようなケースとしてはニューヨーク・フィルの音楽監督をやっていたアラン・ギルバートがいる。両親ともにニューヨーク・フィルの団員だった。文字通り子どもの頃からアラン・ギルバートはニューヨーク・フィルに育ててもらったわけです。
というわけでラハヴ・シャニの長い成功をねもねもと祈っております。指揮者としても、そして可能であればピアニストとしても。
最後にイスラエル・フィルが5年ぐらい前に作った彼の映像、バッハの弾き振りハイライト映像を貼っておきます。