カーネギーホールのラプソディ・イン・ブルーを二台ピアノでチック・コリアと、ヤニク・ネゼ=セガン指揮で演奏することになっていたラン・ランに関するニュース。
引き続き左手が使えないラン・ランは、以前の発表通り14歳の若手ピアニストに自分の左手パートを弾かせ、3名5手で演奏するそうです。ニューヨーク・タイムズ紙に3名のリハーサル模様とインタビューが写真付きで紹介されています。
https://www.nytimes.com/2017/10/03/arts/music/lang-lang-chick-corea-carnegie-gershwin.html
炎症で左手が弾けない、とアナウンスがあってからはや半年以上。本当に左手は痛んだままなのか、という疑問がついて回るのですが、本当なんだと言われれば、はい、そうなのでしょうとしか言えません。
左手を14歳君の肩に置いて弾いている写真とかあって、左手を他人の肩に置いても痛くないのか、とほんの少しだけ、もやついた気分になります。
しかしこの記事の一番最後に、これまで知ることの出来なかった新しい情報がありました。ラン・ランの左手は治ってきている模様であるということ、そしてラン・ランが左手を痛めた理由が書かれていたのです!!なんと!
ではクイズ、気になるその理由は・・・?
下に答えを書きますが、せっかくなのでどういう理由なのか、皆さん推測してから読んでみてね!答えを書く前に、現在の状況について語っていますので、先に書いておきますね。
“I’m already starting to practice, every day, a very short time now — like 20 to 30 minutes a day,” he said. “So gradually it’s recovering, coming back. But I want to be back with a totally, complete recovery — I don’t want to play halfway and stop. So I’m taking it in a safe way.”
「既に練習を始めています。毎日短い時間だけ。日に20分とか30分です。だんだんと直ってきている。戻ってきてる。でも完全に直したい。直っている途中で弾いて止まってしまうというのは避けたい。なので安全な方法を採ってます。」
というわけでラン・ランが左手を痛めた理由は以下の通りです。
「ラヴェルの左手のための協奏曲を練習しすぎたから」
“a stupid practice of Ravel’s left-hand concerto,”
“I was not paying so much attention, I was already tiring, and I pushed to practice,” Mr. Lang said. He explained that several orchestras had invited him to play the piece, and he was facing a deadline to decide, so he pressed himself to learn too quickly an unfamiliar work designed for only one arm.
「ラヴェルの左手のための協奏曲を練習しすぎたんだ」「あまりよく考えずに弾いていた。もう疲れていたけど、頑張っちゃったんだ」とラン・ランは言った。複数のオーケストラからこの曲を弾くオファーを受けており、締め切りが迫っていた(訳注:恐らくオファーを受けるか受けないか)。なので、今まで弾いた事のなかった、この片手のための作品を早くものにしようとしすぎたのだ。