ぶらあぼにも告知がありましたが、福間洸太朗がやりました。先週末、2016年7月2日土曜(日本時間の3日日曜早朝)に代役で演奏。
代役というのは、ネルソン・フレイレの代役でトゥールーズ・キャピトル管の定期演奏会でブラームスの第2番の協奏曲を演奏。前日にオファーがあり、受けたという話。しかも弾くのは、未確認ですが5年振りだったとか。
これはわりと凄い話だと思うんですがみなさん。
代役を前日に打診されて、しかも曲がブラームスの2番という、相当な重量級の作品で(昔は女性には弾けないと言われていたほど)、オーケストラとの室内楽的なやりとりも要求される曲ですから。ショパンみたいにピアニストがひたすらソロを弾いていてオケはともかくその伴奏(オケ側は超退屈)をやっているような曲とは難易度が違う。とりあえず弾ける、だけでは話にならない。
すなわち、5年前に弾いたから出来るね、とかそう軽々しく言える曲では無い(そもそも5年弾いてない曲を明日弾くということ自体が卒倒ものですが)。客もオーケストラも、5年間弾いてないとかそういう事は一切知りませんから。結果が全て。
という相当なチャレンジですが、見事にやりきりました!Kotaro大勝利!という結末であります。これは文句ない素晴らしい代打!!・・・が、客席の反応が・・・薄いな。なんでだろう。生で聴くとインパクトがなかったんでしょうか。
演奏はmedicitvで観ることが出来ます。いつまで見られるかはわからないので今すぐ観ることをお勧め致します。
http://www.medici.tv/#!/tugan-sokhiev-conducts-brahms-nelson-freire
iPadを置いての演奏。なーんだ、iPad置いてるのね、と思ったあなたは甘い。楽譜を見ていても、こういう極度の緊張を強いられる演奏の場合、見ていても弾けなくなるケースは多いんです。見ているのに弾けないとか嘘だろう、と思ったあなた。甘い甘い!試しにやってみてごらんなさい。弾けないから。
音はやや軽め、さすがにフレイレの持つ朴訥型の強烈さはありませんが、ここまで出来れば全くマイナスポイントは無いし、むしろ大絶賛でよろしいかと思うんですがね。フレイレみたいなのをお客さんは期待してたから違いすぎて戸惑いましたかね。
しかしどこからどうやって福間洸太朗に代役の話が回ってきたのでしょう。気になりますね。そのあたりの事情も聞いてみたいですね。福間さんはベルリン在住だし、事務所はフレイレともソヒエフとも違うところですからね。これでさらにフランスはじめ欧米での活躍の幅が広がるといいですね。期待したい。
服がキャバレーのボーイみたいなキラキラなのだけはいただけないな、と思っていますが、最近お気に入りの衣装みたい。