練習法というのは人によって千差万別。この人にとっていいという練習法もあれば、あの人には全く役に立たない練習法というのもある。スポ根はさすがに日本でも時代遅れになってきていると思いますが、どうしても日本人は形から入るのが好きで、だれそれさんは8時間練習しているなどと聞くと「それぐらいやらなくちゃうまくならないのかも」とそういう風に考える方向に行きがち。それ、間違いだから。
8時間やっているトップピアニストもいますが、4時間しかしないという人もいます。形から入っちゃう人は練習の内容とか、そちらの方には気が向かないんだ。みなさんも闇雲に練習していませんか。練習の内容、練習の質、考え直してください。時々、ではなく、いつも、いつでも考え直してください。最高の効率を追い求めてください。でないと時間を無駄にするよ。
というわけで、コレスニコフの提唱する5つの練習法は以下の通り。
1.録音する「録音から聞こえてくるのがあなたの演奏です。最初はとても不快かもしれないけど、これほど役に立つものはないです」
2.心の耳を鍛える「頭の中だけで演奏してみて、細かいところまでも想像してみる。音符だけを並べるのではなく、サウンド、フレーズ、感情も込みで頭の中で演奏してみる。それからピアノに向かってそれを実現してみる。・・・辛抱強く!」
3.分割してみる。「ほとんどの技術的な難しさは、ばらばらに分解して見ることで解決します。分解せずに挑戦してもうまくいきません」
4.解決策とインスピレーションを得るためにあちこちを見回してみる。「例えば構造について学びたいなら、建築、文学、作曲。写真、絵画、旋律や輪郭について学びたいならファッション、バレエなど」
5.練習は少なく。高い集中力で「ショパンは3時間以上練習しないように強く勧めました。もし集中できないなら、時間のムダです」
さあ、間もなく7月も終わり。来月からも素晴らしい練習ができるよう、みなさん集中して励んでまいりましょう。