ヤニーナ・フィアルコフスカが健康上の問題でメンターを降りたというわけで、新しくホーネンス国際2018コンクールのメンターになったのがギャリック・オールソン。と発表がありました。
ギャリック・オールソンは日本ではあまり人気がありませんよね。でもショパン国際で優勝しているスーパーピアニストですし、英国でも人気は高いと聞きなす。そういう人がメンターとして、入賞者および落選した人も教えてくれる、キャリアを作る上でのアドバイスをくれる、というのはコンテスタントにとってもありがたいことであることには間違いない。
フィアルコフスカは病気がちの人と聞きますが、シリアスな病で無いことを祈ります。
http://www.honens.com/competition/2018-piano-competition/mentor/
ホーネンス国際はカナダで行われている、1位、2位とかではなく、受賞者(Laureateと書く)しか出さないコンクール。3年に一回。今年開催で、8月の末から。最近2回は受賞者は1人に絞っています。このコンクールは受賞者への手厚いサポートが有名。あちこちでコンサート出場機会をもらえる。これはおそらく、コンクールの事務局の中に有力な人がいるからだ。
ホーネンスはカナダのコンクールであるからして、北米の業界内にコネクションを持つ人が中にいるのは当然でしょうが、ヨーロッパのあちこちのコンサートに出演出来るということは、ヨーロッパにも強いコネクションを持つのでしょう。
前回優勝のルカ・ブラットの名前はなぜかまだそれほど見ないが、前々回のパヴェル・コレスニコフの名前はよく目にします。日本にも来ているし。ここまでこう、ブーストして露出してくれるのであれば、かなりのアドバンテージですよね。あとは本人がいかに潰れず伸びていけるか、であります。そういう意味で非常に優れている。
日本のみなさんも、ショパンとかチャイコフスキーとか言ってないで、こういうホーネンスみたいなコンクールを受けるのがいいんじゃない?一気にバーン!と出るショパン国際もいいが、こうやってじわじわ押し上げてくれるのもいい、というか日本人にはこういうじわじわ系の方が向いてるかもよ。今回は申込み締め切られているけど。
たとえばアメリカ最大のコンクールと言ってよいヴァン・クライバーン国際も優勝者にものすごい数のコンサートが提供されますが、大部分はアメリカ国内だったのではないかと想像いたします。なので、ヴァン・クライバーンの場合はアメリカではそこそこ有名になれても、欧州での露出がなかなかない。クラシックの本場は欧州なのです。それが弱点かもしれない。ホーネンスは欧州でも露出できそうだから、その意味で強い。