ロシア人とファミリービジネス

一体全体ロシアという国は本当に不思議な国で、わけがわからない、というとそうかもしれないし、素晴らしい国、というとやっぱりそうなのかもしれません。日本はロシアの隣人ではありますが、その国民性、性格などはついに我々には理解ができないのかもしれません。

ロシアのメディア自身がどうしてロシア人はこんなにおかしいのか、という記事を書いているので、お暇な方は読んでみてください。

https://jp.rbth.com/lifestyle/80847-roshia-jin-ha-naze-okashii-no-ka

嘘だろうよと思うようなことも書いてあるかもしれませんが、私がロシア人たちから聞く話にはこういうことも含まれていて、本当になんだかすごいのであります。あ、あと米原万里の本は面白いから読むといいと思います。

ロシア人は、ファミリービジネスが好きです。どういうことかというと、誰かいい演奏家いないか?というと、自分の家族、親族、あるいは友人など、近しい人をけっこう強引に勧めてくる傾向がある、ということです(考えてみればイタリア人にもそういう傾向があるように思いますが)。これは時として素晴らしい結果を生むこともありますが、激しい混乱と恐怖を生じさせることもある諸刃の剣なのであります。

どういうことか想像がつかないという方のためにもう少し具体的に言うと、素晴らしいパパピアニストが、どうしようもない娘ピアニストや妻ヴァイオリニストなどを一流のコンサートの場に連れて出すことがある、ということです。

日本人の感覚なら、いや、そこそれ推薦してくるか?と思うような場合でも堂々と、何のためらいもなく推薦してきます。清々しいほどですね。そして聴衆の方でも了解しているのか、けっこうそういう場合でもコンサートを愉しんでいるようですから面白いのですよね。

あのゲルギエフの息子なる18歳のピアニストが世の中に出て来ようとしていて、これはファミリービジネスなのか、本当に力量があるのか、そのあたりに興味があって一度聴いてみたいなと思っている。そういうことなのです。

ちょっと変わったお名前ですね。Abisal Gergiev、2000年うまれ。

https://slippedisc.com/2019/02/in-gergievs-empire-the-son-also-rises/
https://www.mariinsky.ru/en/company/orchestra/piano/abisal_gergiev