ゲルギエフの無茶ぶりは続く。ショパン2曲を前半にまとめ後半は・・・

ゲルギエフのスケジュールを久しぶりに眺めてみました。

http://mariinsky.us/performances/valery-gergiev-performance-schedule/

うん、相変わらずとんでもないスケジュールですね。ただ、来シーズン(つまりヨーロッパ風に言うところの、今年の9月からのシーズン)はそれほど強烈なスケジュールはなさそうで(残念)、せいぜいチャイコフスキーの交響曲6曲全部を3日間でやるのが2回ある、ぐらいでしょうか。

あとは、これは来月、8月5日の話ですが、ノヴォシビルスクの音楽祭で昼14時からワーグナーの「さまよえるオランダ人」をやった後、19時にラフマニノフのピアノ協奏曲3曲をピアノでやる、ぐらいですか(8月4日は20時からラフマニノフのピアノ協奏曲を2曲)。それぐらい。・・・・それぐらい?いや、やばいな。

先週末の公演にも興味深いものがありました。バーデン・バーデン(ドイツ)で、チョ・ソンジンと一緒に、ショパンのピアノ協奏曲を2曲、やっている。公演詳細はバーデン・バーデン祝祭劇場のサイトにあります。ここです。

https://www.festspielhaus.de/en/performance/chopin-klavierkonzerte-22-07-2017-1800/

あれ、普通かな?と思ったあなたは間違いである。絶対やばいやつなんですよ。まず劇場のサイトに「チョ・ソンジンの日程を確保したあと、どっちの協奏曲を弾いてもらうのか、悩んだ、だが両方弾いてもらったらそんな悩みは無用だね!」というような事が書いてあって、ひっくり返りそうになりました。

そしてこの公演は、前半1曲、後半1曲で終わるのではない、というところがポイント。ショパンのピアノ協奏曲って、どっちもけっこう長いので、その気になれば2曲だけでも十分コンサートとして成立させることが出来るんですが、この2曲で前半なんですよ。えっ、後半があるのか・・・・。

なんと後半は、ブルックナーの7番!!(60分~70分かかる)。殺す気かと思うこのヘビー級プログラム・・・さすがゲルギエフ。

なお、これが可能なのはゲルギエフ×マリインスキー劇場管だから、です。彼ら以外では絶対に不可能な公演である、と言うことはしっかりと申しておきましょう。欧米や日本のオーケストラには、ユニオン(組合)というのがあります。こんな殺人的プログラムだと絶対にユニオンからオーケーが出ません。仮にオーケーが出たとしても相当な追加料金をオケのメンバーに払わないといけません。

ゲルギエフとマリインスキー劇場管なら、そんな追加料金とは無縁。だから好き放題やれるんだね!やったね!