一列目に座る客が着ないほうがいい服 内田光子編

コンサートでは一列目に座りたいというお客さんがいます。どうしても最前列がいいという人はある程度の人数がいて、おそらくそれは演奏者の顔つき、息遣いなどがはっきり聞こえて臨場感があるからなのかなと想像しています。自分自身は一列目には全然興味がないので想像するより無いのですが。

その一列目に座る方への忠告というか、着ないほうがいい服について、内田光子がインタビューで答えていましたので、皆様の何かの参考になるかと思いここにご紹介いたします。もっとも、着てはいけない服は何か、という質問に答えているわけではないのですが。

The Albert Hall isn’t the easiest place to play, especially with the Prommers standing right by your elbow.
It’s not half as bad as Vienna’s famous Musikverein. No audience is closer. The only reason the piano doesn’t fall off the platform there is because a narrow rim of wood holds it on stage. When you play at the top end of the keyboard you find yourself looking at the woman in the red dress jangling jewellery in the front row. Ninety-five per cent of the time there is always a woman in a red dress jangling jewellery in the front row. I’ve tried keeping one eye shut so I don’t see it but that’s quite awkward. That colour is very disturbing for a performer. It’s what matadors wave to attract a bull.

ロイヤル・アルバート・ホールは弾きやすい場所とはいえませんよね。プロムスではあなたの肘のすぐ横にお客さんが立っていますからね。
ウィーンの楽友協会ほどひどくはないですよ。そんなに聴衆は近くないですし。ピアノが舞台から落下しないのは細い木製のふちがステージにあるからです。高音部あたりを演奏する時、赤いドレスを着た女性がジュエリーの音を立てています。95%の確率で、赤いドレスを着た女性が1列目にいて、ジュエリーが音をたてている。一度片目をつぶって見えないようにしたことがありますけれどあれは本当にみじめでした。あの色は演奏家にとっては大変気が散ります。闘牛士が牛の興味を弾くためにひらひらさせるものでしょう。

https://www.theguardian.com/music/2013/aug/04/mitsuko-uchida-proms-interview

私の英語読解力が悪いからか、赤い服のジャラジャラ女性が一列目にいるのはプロムスなのかウィーン楽友協会なのかは読み取れないのですがウィーン楽友協会の方かな?と思います。ゴージャスな服で現れるのは楽友協会の方ですよね。多分。プロムスって、平土間(1階、演奏家のすぐ脇)は立ち席なので、そんなところに赤いドレス&豪華ジュエリーの女性が現れそうな気がしない。

というわけでいずれにせよ赤い服はおすすめできない。そして豪華なイヤリングなどを身につけることも避けていただきたい。特に内田光子のコンサートに行こうと思っている、一列目好きの方は、避けることをおすすめいたします。演奏家をいたずらに興奮させないためにも。自分は赤いドレスもジャラジャラにも興味ないから多分、大丈夫。