「町おこしにはコンクールが有効」という事を言う人もいますが、コンクールはブランド戦略にもなり得ますね。スタインウェイも河合楽器も国際コンクールをやっている。今もやっているかどうか分かりませんが、ベヒシュタインも、ベーゼンドルファーも国際コンクールをやっていた。
しかしほかの人と同じ事をしていても、浮かばない。みんなとは違うことをしなければ!!(特に後発にはこれ大変重要)というわけでFAZIOLIが実施する国際コンクールは・・・なんと!オンラインのコンクール!!
なん・・だと・・・・?
このコンクールの開催期間は2018年4月27日から10月7日までで、出場者、審査員の登録、演奏の視聴、投票などのコンクールの一連の課程がオンラインで行われる。また、出場者、審査員に関する資格の制限も極めて少く、日本のピアノ愛好家の広範な参加を容易にしている。
https://fazioli.co.jp/news/2017/10/Competition-Press-Release.html
開催期間が異様に長い。まずここが不思議。どういう事なのでしょう。出場者の資格の制限が少ないというのは、昔からだれでもオッケーみたいなコンクールもあるので簡単に理解できるのですが、「審査員に関する資格の制限も極めて少ない」というのも新しいですね。もしかして「自分審査員やります」と言いさえすれば誰でもなれる、みたいな感じなのか。
最終的に優勝した人の披露コンサートもオンラインで済ませたりして。それでこそ完全なるオンラインのコンクールと言えるのですがね!!(さすがにそれは無茶ってものか・・・?)
YouTubeは自作自演で再生回数を増やせたりしますが、このコンクールで、もし投票数で勝者を決める、とかいうルールがあった場合、投票数を増やす自作自演が出たらどうするか、とか、その本人の演奏であることをどうやって確認するか、とか、ネット上でやるからには不正を防ぐ手段について考える事が必須ですが、ありとあらゆるケースを想定しなければならないので、そこで頭を使わないといけませんね。
公式ページが公開されるのは11月10日、どういう内容になるのか、興味が湧きます。さあ、来月10日はファツィオリのサイトに注目!!!むかしYouTube Symphony Orchestraというのもあったけどコンクールを全部オンラインでやるのは聴いたことがない(既にあったらすいません)!!
ところでここからは余談。国際コンクールでは事前審査があり、音源を送る、もしくは映像を送ることを義務づけている所も多いです。まだCDで送る時代だった頃のこと、ある参加者がルービンシュタインの音源をコピーして送ったら落とされた。落とされた側は、「そうか、ルービンシュタインって下手なんだ」と毒づいたという笑い話があります。