アルゲリッチとの結婚について語るデュトワ

シャルル・デュトワといえば、アルゲリッチ。アルゲリッチと言えば、デュトワ。というのは間違いですが、ともかく二人は一時期結婚していました。

そしてデュトワの口からこれまで公式にアルゲリッチについて語られた事は、なかった、と書かれています。本当かどうかはとりあえず、なぜ二人は離婚したのか、という事がザ・テレグラフ紙のインタビュー記事に書かれていました(2017年8月18日付)。

インタビューは、デュトワのキャリア全体を俯瞰するもので、冒頭いきなり「暴君?私が?」と言わせているところをみますと、最初にインパクトのあることを言って本腰をいれさせようとしているのかなと思います。デュトワぐらいキャリアがある人になるとインタビューもなれきっていて、同じ事を、よどみなく繰り返すそつのない、だが面白くないものとなりがち。それを嫌ってわざわざこの記者は暴言すれすれの質問をいきなりしてみたのでしょう。

それが功を奏したのかどうか、知らなかったようなお話もいくつも書かれています(たんに自分が知らなかっただけという噂もある)。そしてみんなが気になるアルゲリッチに関する内容もかなり含んでいました。例えば。

It was one of the celebrity musical marriages of the century, but it lasted only six years and Dutoit has never talked about it. “Martha Argerich is a wonderful person and a fantastic artist, and I still love her, but it’s really so hard to live with her. She has a completely different way of living, she likes to get up in the afternoon, and then stay up all night drinking coffee and talking with friends. That was great while I was not working too much, but when I had to be up for a 10am rehearsal I realised it was just not going to work. When we decided to part there was no bitterness. We got divorced at 11am and then went for lunch and then went to the movies.’

20世紀の音楽界におけるもっともセレブな結婚だったが、たった6年しか続かなかったし、デュトワはこのことについて話すことはなかった。「マルタ・アルゲリッチは素晴らしい女性で、芸術家だ。いまでも彼女のことは愛している。しかし彼女と生活をするのはとても難しい。彼女は人と違う生活を送っている、午後に起き、朝までコーヒーを飲みながら友達たちと話をしているんだ。私もあまり忙しすぎなかったときはそれを楽しんだ。でも朝10時からリハーサルがあるっていうようなときに、これはうまく行かないと気がついた。別れることにしたときも、つらいことは全くなかった。朝11時に離婚して、ランチを食べて映画をはしごした」

http://www.telegraph.co.uk/music/classical-music/charles-dutoit-todays-young-musicians-have-no-culture/

離婚直後に二人で映画はしごするのかよ。まあ、人生いろいろ、離婚もいろいろですな・・・。

アルゲリッチは本当は友達とかとうちの中で遊んでいるのが好きだったのだけれど、天才少女すぎてそういうことも出来なかった。彼女がいま独身なのもかわいそうだ。さみしがりだからとてもたくさんの人たちに囲まれて生活しているんだよ、ともチャーリー(シャルル)は語っていてたいへんおもしろい。

6年っていうと短いように思いますけれど、それなりに長い期間でもありますし、二人は結婚と離婚からいろいろと学んだのでありましょう。その後二人はいまでも共演を続けていることからも、仲がよろしいということはわかりますしね。