いきなり大人っぽくなりましたよ。なめらかで色っぽい出だしからして、ホテルのラウンジにいるでもようだ。大人だな。こうして人生は進んでいくのだ。
どことなくメロディーも生まれたようで、喜ばしい。最初に出てくるなめらかな音形「ラタタター」(こう書くと実に間抜けだが)があちこちに現れる。これがこの変奏の目玉企画なのさ!
なんでこんなにしつこく同じリズムが現れるのかというと、ベートーヴェンがしつこい人だったからですね。執着心の強い人だったんだな。ワインもたくさん飲んだんんだろうな。ベロベロになってもなお飲みたがったんだろうな。そう思いますよ本当に。
俺はーテレーゼがー!!とか言って過去の片思いの相手をずっとグチグチ言い続けていたんでしょう。うざかっただろうな、毎夜聞かされていた人は。ああ、ベートーヴェンにうまれなくて本当によかった。
少しまじめにいうと弦楽四重奏
もう少しまじめに言うと、この曲は弦楽四重奏曲っぽいです。演奏しているのは一人ですし、人間にはだいたい腕は2本しかないですけれど、4人の演奏家が演奏しているように書かれています(いままで黙っていましたけど、この解説の上にある画像はそれぞれ該当する変奏曲部分です)。
さらに少し専門的なことを言うと、ベートーヴェンの書いたソナタにたくさん出てくるメヌエットの中間部にそっくり。いや、超そっくり!いやむしろ瓜二つ!これはメヌエットなんですよ。
メヌエットというのは古くから伝わるヨーロッパ宮廷の優雅なダンスのことっすよマジで。
第3変奏をお聴き下さい。演奏は毎度のことながらブレンデル
クリックすると第3変奏が始まります。4分57秒ぐらいまで。