初心者からのディアベリ3(第2変奏)右手と左手の対話。大人を真似る子供たち。

右手と左手が交互に鳴らされるのがこの変奏は、男の子と女の子がおままごとで遊んでいるかのようです。ということで勝手に妄想を膨らまして行きます。

もちろん右手=高音部=女の子、左手=低音部=男の子なんですが、まあだいたい女性のほうがお話上手ですよね。ペチャペチャ喋っている。それに合わせるように男の子も地味にもぐもぐ言いながらついていっているわけですよ。

時々男の子が入れ替ろうとしますがやっぱりすぐに立場が入れ替わってしまう。男の子の方、そこまでわけがわかっていないからおどけながらついていっているわけですよ。女の子に。

おしゃべり好きな女の子に振り回されつつ、強く自分の意見を押し出していうこともなかなかできない、そんな小さな男子の構図が透けて見えるようだ。

男と女の関係は、危ういのである。

でもふたりともうまく掛け合いをしていると思いませんか。掛け合いって、なんだかんだいってずれます。例えばもちつきですよ。もちつきとか見ていてハラハラしますよね。ちょっとうっかりずれたら大事故に至るような危険を孕んでいるんですよ。怖いんですよこの曲は。男と女の関係は、それほどまでに、あやうい。やがて訪れる大人の世界の恐ろしさを暗示しているのである。私も毎晩のように恐ろしい思いをしている、ということは強く申し上げておきたい。

壮年期ベートーヴェンのうおりゃー!っていう感情の塊ではもちろんなくて、枯れた老人が見た過去の思い出、という趣なんですね。老年期に差し掛かったベートーヴェンが、きっと昔の、自分が子供だった頃を思い出しながら書いたんだろうな・・・(適当)。

いや、ほんと、ちょっと気になるんですけれど、どんな子供だったんでしょうね、ベートーヴェン。少なくともこの曲の左手のように女の子に一生懸命合わせられるような子ではなかったに違いない。アーメン。

それでは第2変奏をどうぞ。演奏はブレンデルです。

クリックすると第2変奏が始まります。3分36秒ぐらいまでが第2変奏です。