迫真のボクシング試合をみている。ただしスローモーションで。
一挙手一投足がくっきりはっきりとみえている。息詰まるような熱戦だ。やがてA君がB君を、まさかのトリプルクロスカウンター(古いな)でノックアウトにする瞬間が現れる。
画面は無音。両者の顔がじわーっとゆがんでいき、汗がゆっくりと、だが確実にビッシャー・・・っと飛び散っていく。静かに、リングに倒れ込んでいくA君とB君だ。
セコンドも、お嬢さんも、満員の聴衆も、波を打ったように静かだ。・・・やがてかすかに声がきこえる・・・・立て・・・立って・・・・立つんだ・・・・・ジョー兄ぃいいいいーーーー!!
いやはや、ものすごい緊張感ですね。書いている私ももうっすらと汗ばんだぐらいですよ。たけし、母ちゃんYouTubeで何度も繰り返しみちゃったよ。
なおB君というのはベートーヴェン君で、A君というのはアルビノーニのことです。アルビノーニがベートーヴェンをまさかのカウンターパンチで打ち負かした奇跡の一夜はその後、何世紀にもわたり語り継がれたとされる。これをアルビノーニのアダージョと言う。うそである。
さあいよいよ残り3ラウンドだぜブレンデル兄ぃ。
クリックすると第30変奏。2分30秒ぐらいまでです。