ねもねも舎は他とは違うコンサートを目指します

アメリカという国のクラシック音楽は、私はアメリカでクラシック音楽のコンサートに行ったことがないので断定はできない、というか自信をもって語れないのですが、有力者とかお金持ちによるかなりの額の「寄付」で成り立っているようなところがあるそうです。

それに対してヨーロッパの場合は国などからの補助金で成り立っている(各国で補助金が減ってきていていろいろトラブルも発生しています。最近ではベルギー国立管弦楽団とモネ歌劇場オーケストラの統合の話があるとか。どちらもブリュッセルを本拠にする団体です)。

いずれにしても、欧米でもクラシック音楽はチケット収入だけではコンサートは成り立たない、援助をあちこちからたくさん受けなければならないという構造的な問題を抱えております。

それに対して日本はどうでしょう。国や自治体からの補助金はあっても少額で、カットされる一方です。寄付ということに関して言えば、寄付ということに日本人はあまり関心がありません。なのでアメリカや欧州と比べて、さらに不利な状況ではないかと思います。(まあもともと日本の文化ではないから、と言うとそれまでですが。)

そういうわけで出演者のギャラがすごく高いとどうなるか。欧州では補助金でまかなっています。アメリカでは寄付でまかないます。日本ではどうするか・・・?補助金も少ない、寄付も少ない。そうすると必然的にチケット代金はあがります。チケット代が高いということは、お客さんの足が遠のくということになり、チケット収入も減ります。高いと買わないからね・・・。

お客さんが来てくれないので、チケット代金はさらに上がります。そうするとさらにお客さんは離れます。最近のスターピアニストのチケット代金の高さは驚くものがありますね・・。

クラシック音楽の主な顧客層は(皮肉でもなんでもなく)老人です。本当はみんな若い人にもっと来て欲しいのです(老人に来てほしくないというわけではなく、観客が老人ばかりだと、厳然たる事実として将来が不安という意味において、です)。でも若者は単なるコンテンツつまりコンサートにお金を払うことにたいして現実問題として積極的ではありません。みんなが頭を痛めているのがここです。

では若者はお金を全く使わないかというとそういうわけではなく、先日のハロウィーンのように仮装をして渋谷に繰り出すとかそういったこと、彼らがわくわくすることにはお金を払います。クラシック音楽も将来を考えるのであれば、もっとわくわくを創りださなければならないなと思うのです。ねもねも舎も、わくわくが大好きです。ときどきおならもします。

そこでローラン・カバッソです。ねもねも舎が1月に主催する公演です。カバッソのリサイタルは、そういう意味でわくわく感を高くしよう、という強い思い入れがあります。

森をテーマにしたプログラムを、砧公園という「都会の森」に囲まれた場所である世田谷美術館で聴くなんて、楽しいじゃないですか?フランスの音楽雑誌がブラインドテストの結果ポリーニやリヒテルやゲザ・アンダよりもすごい、と断じたディアベリ変奏曲をJTアートホールで聞けるなんて楽しいじゃないですか。しかもNHKが収録してラジオでも放送されるなんてわくわくしませんか、聴きに行った人にしては二度美味しいじゃないですか!

ねもねも舎はできたばっかりで、まだヨチヨチ歩きなのですけれども、他とは違う、ということを今後ももっと明確に意識して行きたいと思っています。

チラシも、他とは違う、クールだけどぱっと見て訴えかける、というものを目指しました。クラシック音楽のちらしって同じようなデザインになりがちなのですが、今回は映画のDVDのパッケージなどを手掛ける西荻窪のおもしろいデザイナーさんと、こうやったら面白いか、ああやったらいいか、などと言いながら作ったものです(上の画像がそうです。表面だけですが)。

これから宣伝を強化していきますので、もしチラシの実物をご覧になったら、ぜひ感想を教えて下さい。mail@nemo2sha.comまでメールいただくか、twitterで@nemo2sha に話しかけていただくか、Facebook でねもねも舎のページにアクセスしてメッセージを下さるなどしていいただけますと、私たちはおおきに喜びます。

なお、ねもねも舎なので、ネット上ではnemo2shaと表記しています。みなさんすぐにおわかりいただけると思いますが、なお念のため。