チョ・ソンジンがショパン国際コンクールで優勝してから一夜明け、広く日本ではニュースなどで知られるところとなりました。
チョ・ソンジンはいま、パリで学んでいます。パリ国立高等音楽院でアシスタント・プロフェッサーとしてチョ・ソンジンをコンクールの優勝へと導いたフランス人ピアニスト、ローラン・カバッソから祝福のコメントが届きましたので、訳して掲載いたします。 *原文は改行がなく長いのですが読みやすいように適宜改行しています。
なおローラン・カバッソは来年1月に来日して東京で2回、異なるプログラムでリサイタルを開催いたします。ねもねも舎が日本に呼ぶのです。詳細は以下のURLからご覧下さい。チケットは10月28（水）より発売致します。
●ローラン・カバッソ・ピアノ・リサイタル詳細
2016年1月17日（日）世田谷美術館【砧公演】、19日（火）JTアートホールアフィニス【虎ノ門】です
https://www.nemo2sha.com/concerts/
——————
私は、パリ高等音楽院でベロフ氏のアシスタントとして、2013年からチョ・ソンジンの指導をする幸運に恵まれてきました（ソンジンはミシェル・ベロフのクラスに2012年に入りました。）
出会った当初から、ソンジンがなんという集中力で練習することか、なんという早さで曲を自分のものにすることか、どんな曲もなんとやすやすと弾きこなすことか、と、目を見張る思いでした。そしてソンジンの、ピアニストとして熟達したいという真摯な思いを受け止めました。ソンジンはすばらしい音色を持っていて、それが私にとってはとても大切なことです。ソンジンは自分を厳しく律し、練習に邁進できる人です。
2015年の第17回ショパンコンクールに優勝したのはごく妥当な報賞だと思っていますが、その前にも今年、ルービンシュタインコンクールで３位に入り、2012年にはチャイコフスキーコンクールで第3位を得ました。2009年には弱冠15歳で浜松国際コンクールで1位になっています。ですからレパートリーは非常に広く、この上なく複雑な曲でも、あっという間に覚えてしまいます。何か指示すればすぐ反応し、楽器奏者としての技巧は信じられないほど精密です。
教師からのアドヴァイスをただ鵜呑みにして「コピー」するのではなく、自分の音楽的ヴィジョンに深く染み込ませていきます。彼にはいかなるリミットも存在しません。あらゆるレパートリーを弾けるピアニストなのです。
昨年は一緒に、古典派の様式について集中的に学びました。それが彼の演奏の骨格を明確にするのに役立ったと思います。2015年ショパンコンクールでの彼の優勝に、私は本当に感動し、幸せな気持ちでいます。これは、ソンジンの素晴らしいのキャリアの幕開けとなるでしょう。ソンジンが輝かしく、できる限り長いピアニストとしてのキャリアを築いていくことを願っています。だって彼にはそれができるのですから！
ブラボー、ソンジン、そして本当にありがとう！
ローラン・カバッソ
（翻訳：ミストラル）
以下原文：
“C’est dans le cadre de mes activités de professeur-assistant au Conservatoire National Supérieur de Musique de Paris, aux côtés de Michel BEROFF que j’ai eu la grande chance d’avoir Seong Jin CHO comme étudiant depuis la rentrée 2013 (il était arrivé en 2012 dans la classe de Michel BEROFF); j’ai dès le début été impressionné par sa très grande concentration dans le travail, son extrême rapidité dans l’acquisition du répertoire, ses immenses facilités, sa réelle envie d’avancer, d’évoluer. Il a une sonorité magnifique et c’est pour moi très important. C’est quelqu’un de très organisé, très travailleur. Avant sa victoire, amplement méritée au 17ème Concours Chopin 2015, il avait remporté la même année le 3ème prix du Concours Rubinstein, et en 2012, le 3ème prix du concours Tchaïkovsky, et également le 1er prix du concours de Hamamatsu à l’âge de 15 ans, en 2009. Son répertoire est donc immense et il apprend très très rapidement les oeuvres les plus complexes. Il est extrêmement rapide dans ses réactions, et ses facilités instrumentales (digitales) sont incroyables. Il ne se contente pas de “copier” les conseils que ses professeurs peuvent lui donner, mais il les intègre en profondeur dans sa propre vision musicale. Il peut jouer absolument tout le répertoire sans aucune limite. L’année dernière nous avons beaucoup travaillé sur le style classique et cela lui aura été très bénéfique pour mieux structurer son jeu. Je suis très ému et heureux pour lui de cet incroyable victoire au concours Chopin 2015. Il va maintenant commencer une très grande carrière que je lui souhaite magnifique et aussi longue que possible car je sais ce dont il est capable! Bravo Seong Jin et merci!”
Laurent Cabasso
——————
■チョ・ソンジンはショパン国際コンクールの入賞者記念コンサートということでさっそく日本に来日しますね。カジモトが主催してオペラシティで11月23日(月・祝)に公演があります。みなさまぜひ足をお運び下さい。
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=473/
■カバッソはこの他、チョ・ソンジンが3次で演奏した前奏曲集を絶賛しておられました。絶対に聞いてほしい、と。
■これはトリビアなのですが、パリ国立高等音楽院で勉強したピアニストとして初めての優勝者ではないかとのこと。韓国人として初、パリ国立高等音楽院でも初。おめでたいことですね。でもこれまでの最高位は誰でしょうね。第2位に入ったマルク・ラフォレでしょうね、多分。
カバッソも絶賛したチョ・ソンジンの前奏曲はこちら。しかしなぜか24のファイルに分断されている・・・。これはひどい・・・。というわけで下の動画は第24番です。
繰り返しになりますが、ローラン・カバッソは来年1月に来日してリサイタルを開催いたします。詳細は以下のURLからご覧下さい。チケットは10月28（水）より発売致します。
●ローラン・カバッソ・ピアノ・リサイタル詳細
2016年1月17日（日）世田谷美術館【砧公演】、19日（火）JTアートホールアフィニス【虎ノ門】です
https://www.nemo2sha.com/concerts/
