「中国は金を持っている」というのは周知の事実かなと思うのですが、クラシック音楽の世界でも、中国のホールやらコンサート主催者やら半端ないお金の使い方をしているそうです。
30年ぐらい前の日本のような勢いというかむしろそれをしのぐ勢いですよね。どうしても日本を優位に置きたい人は、「そうは言っても中国人には文化は理解できない」とか「日本の繊細さは中国にはない」「ヨーロッパ人は結局日本が好きだから中国が日本にとってかわるようなことはありえない」などと言います。
客観的に語れるほど自分も事情通ではありませんが、それは危険な考え方ではないかと思っています。君ねえそんなにペシミスティックになってどうするとか言われることもありますけれど。
いや、世の中、ゼニです。金がないところに人は集まらぬ。芸術においてもしかり。芸術は清貧ではありません。きれい事だけ言って生きて行ければいいんだけど、そんなに世の中甘くないです。
というわけで(強引だけど)話をこないだ読んだニュースに落とし込みますと、北京の音楽院が今年実施するThe First China International Music Competitionコンクールというのがすごいわけですよ。2019年5月4日から21日にかけて実施。優勝賞金150,000USドル。まじかよ。
1位の賞金が150,000USドルっていうのは、ピアノコンクールとしては世界で最も高額な賞金なのではないですか。日本円にして1500万円ぐらいもらえるわけですよ。うわあすごい!何に使おう。・・・いや待て冷静に考えると1500万じゃ家も買えないしスタインウェイのフルコンサートグランドも買えないね。・・・なんだ安すぎるよ、もっと高くしてくれよ!!!!!!(無駄に強欲なやつ)
本選に残るのは3名。バックで演奏するのはヤニク・ネゼ=セガン指揮フィラデルフィア管弦楽団だというからまたクラクラきますね。優勝したらアメリカ最強の事務所の一つOpus 3 Artistsに所属できるオプションと、中国のArmstrong Music and Artsに所属できるオプションがついてくる。
それからちょっと面白いのは2次審査で45分の歌のリサイタル(曲目は未定)というのがあること。室内楽とかをやるコンクールも増えてますけど、歌は初めて見たかなあ。誰が歌うのかな、中国人歌手でしょうか。レパートリーも気になるところですが。他のラウンドのレパートリーがオーソドックスだから、シューベルトとかシューマンあたりなんですかね。さすがにナポリ民謡とか思いっきり伴奏な曲をやってもあまりよくわからないだろうし。
あとはコンクールがつつがなく運営され、素晴らしいピアニストを優勝者に据えることが出来るかどうかです。すなわち、「見守りましょう。」
まだ出場者は発表されていませんが、審査員は以下の通り。
Arie Vardi
Dmitri Alexeev
Fabio Bidini
Jan Jiracek von Arnim
Katarzyna Popowa- Zydron
Boris Berman
Lydia Artymiw
Michel Beroff
Veda Kaplinsky
Warren Jones.
http://www.ccmusic.edu.cn/en/?p=1166
レパートリーは以下のページに
http://www.ccmusic.edu.cn/en/?p=1163