カーネギーホールの来年度シーズン(2016/17シーズン)のプログラムが、おととい発表になりました。
カーネギーホールのサイトはこちら:
http://www.carnegiehall.org/
来シーズンの主な柱としては、ヴェネツィアの音楽、ラトル(指揮者)、バレンボイム(指揮&ピアノ)、ライヒ(作曲家)、この4つにスポットを当てているようですが、このサイトではもちろん!ピアノに限定してお知らせ致します。
カーネギーホールが主催するピアノ・リサイタルの詳細は以下の通り。
全部で18名のピアニストがリサイタルを行います。このうちベザイデンホウトだけ、ピアノではなく、フォルテピアノ(ざっくり言うと、昔のピアノのこと)での公演です。
シーズンプログラムをリサイタルで絞り込んだ結果がこちら:
http://www.carnegiehall.org/Subscriptions/2016-2017_Series_List/#!sel=15032385922
さらにそこからピアノだけを抜き取ると以下のとおりになります。
Keyboard Virtuosos I
Behzod Abduraimov Thursday, November 17, 2016 | 8 PM
Seong-Jin Cho Wednesday, February 22, 2017 | 8 PM
Mitsuko Uchida Thursday, March 30, 2017 | 8 PM
Leif Ove Andsnes, Marc-André Hamelin Friday, April 28, 2017 | 8 PM
Maurizio Pollini Sunday, May 21, 2017 | 3 PM
Keyboard Virtuosos II
Denis Matsuev Wednesday, October 26, 2016 | 8 PM
Dmitry Masleev Monday, January 30, 2017 | 8 PM
Piotr Anderszewski Friday, February 17, 2017 | 8 PM
Richard Goode Wednesday, March 15, 2017 | 8 PM
Yefim Bronfman Thursday, May 4, 2017 | 8 PM
Keyboard Virtuosos III: Keynotes
Kristian Bezuidenhout Monday, October 24, 2016 | 7:30 PM
Khatia Buniatishvili Saturday, December 10, 2016 | 7:30 PM
Igor Levit Friday, February 10, 2017 | 7:30 PM
Great Artists I
Sir András Schiff Thursday, March 9, 2017 | 8 PM
Murray Perahia Friday, May 19, 2017 | 8 PM
Great Artists II
Daniil Trifonov Wednesday, December 7, 2016 | 8 PM
Emanuel Ax Saturday, April 22, 2017 | 8 PM
アルファベット・アレルギーの方のためにカナで名前を書いておきますね。
ベフゾド・アブドゥライモフ
チョ・ソンジン
内田光子
レイフ・オヴェ・アンスネス&マルク=アンドレ・アムラン
マウリツィオ・ポリーニ
デニス・マツーエフ
ドミトリ・マスレーエフ
ピヨートル・アンデルジェフスキ
リチャード・グード
イエフィム・ブロンフマン
クリスティアン・ベザイデンホウト
カティア・ブニアティシヴィリ
イゴール・レヴィット
サー・アンドラーシュ・シフ
マレイ・ペライア
ダニール・トリフォノフ
エマニュエル・アックス
うん、カナがこんなに並ぶのもかなり読みにくいな。
リストを見てわかること。感想。
みなさん、このリストに載っている名前がどれぐらいわかりますか?さすがにカーネギーホール主催だけあり、世界トップクラスのピアニスト達が名を連ねています。ええっ!と目を白黒させるような驚きの名前はありません。安定しているというか、もうちょっと冒険も欲しいなと思うか。
ちなみにこの中に日本に来たことのないピアニストはいません。日本がクラシック音楽消費大国と言われるのも良くわかりますね。
若手と言えるのはアブドゥライモフとレヴィット、ブニアティシヴィリ、トリフォノフぐらいまででしょうか。アブドゥライモフが入っているのが一番意外かもしれません。アブドゥライモフ(ハリソン・パロット所属)ももちろん来日していますよ。さいたまでリサイタルを開催したり、札幌に行っていたり、N響とも共演していますね。
マスレエフとチョはチャイコフスキーコンクールとショパンコンクールの覇者。両方去年開催。なので、この二人は優勝のご褒美枠ですね。
トリフォノフはニューヨーク・フィルのボードメンバー(役員)ですから、そういう意味でも出演機会があるのでしょう。
日本に来たことのない人はいないと言いつつ、なかなか来ない大物の名前もあります。チャード・グードと、あとアムラン。アムランは日本のクラシック音楽ファンにはあまり知られているとは言えない。2000年代に連続して何回か来ましたが、日本ではマニアックな選曲のピアニストというイメージが先行しているかもしれません。
しかし彼のサイトでツアープログラムを見ていると、そんなマニアックな曲はあまり弾いてはいないんですよ。むしろ王道を行っている。協奏曲でもブラームスのピアノ協奏曲第2番だとか、リストの1番、メンデルスゾーンの1番、モーツァルト17番などです。ブゾーニ、とかカプースチン、とかそういうのは弾いていません。
日本でも大手事務所が呼んでしかるべきピアニストですよね。日本にあまり来る機会がないのは残念。
マルク=アンドレ・アムラン公式サイト
http://www.marcandrehamelin.com/
あと、女性が2人なのはちょっと少ないですね。ダイバーシティ(多様性)を重んじるアメリカらしからぬ。しかもブニアティシヴィリは美人枠ですし(そってんなのがあるのか)。