バレンボイムの新しいCDはもちろん、バレンボイムモデルの特別ピアノで

バレンボイムの新しいCDが先週あたりに出たそうです。そのタイトルはon my new pianoっていうのだそうです。そうかそうか。「わたしの新しいピアノで」とかいう意味ですが日本語にすると途端にしまりがなくなってしまいますかね・・・なんかいい訳がありませんでしょうか。募集中!

ピアニストにはピアノに厳しい人と(=ミケランジェリ、内田光子やツィメルマン)、自分の演奏が総てでピアノにはあまり頓着しない人(=リヒテルなど)がいますが、バレンボイムについて言えば、普通の人が想像もつかないような解決策を見出したことはピアノマニアの方には知られるところでしょう。

そう、バレンボイムはベルギーのピアノメーカーおよびスタインウェイの協力のもと、新しいピアノを作っちゃったんですよね。どう違うのかというと、グランドピアノの弦は通常、一部斜めに貼られているのはご存知ですか。それを全部平行にしてしまったんですよ。これはリスト時代のピアノがそうだったらしいのですが、それに倣って平行にした。その結果、とても純粋な音の響きがするのだそうです。

製作者Chris Maeneのサイトに載っている写真をみればわかります。ちょっと小さくて分かりにくいですが、たしかに左から右まで全ての弦が平行に張られている。

chrismaene

バレンボイムのコメント

“The transparency and tonal characteristics of the traditional straight-strung instruments is so different from the homogenous tone produced by the modern piano across its entire range. The clearly distinguishable voices and colour across its registers of Liszt’s piano inspired me to explore the possibility of combining these qualities with the power, looks, evenness of touch, stability of tuning and other technical advantages of the modern Steinway…”

「歴史的な、平行に弦が張られたピアノが持つ透明な響き、特徴的な調性感は、どこの音域をとってみても、現代のピアノの平均的な音とは大変異なっている。このピアノが持つ明らかに異なる発声、音色などを、現代のスタインウェイが持つ技術、力強さ、見た目、タッチの均一性、安定性といったものと合わせることに大変興味をそそられた。」

https://www.pianistmagazine.com/news/piano-legends/cd-release-daniel-barenboim-on-my-new-piano

バレンボイムスペシャルなピアノはいま世界に2台存在しているそうで、1台はバレンボイムとともにヨーロッパを旅して回るそうです。もう1台は・・・どこにあるのかな?

というわけで製作者であるChris Maene氏のサイトを見てみますと、残る1台がどこにあるのかは解りませんでしたが、おやおや、2017年の春にはもう3台出来る、とあります。これは販売される可能性もありますかね。

しかも鍵盤が90あると書いてあります。最低音がAではなくGなのだそうです。これは普通のピアノよりも、そして現行のバレンボイムモデルよりも2鍵多いようですが何らかの意図があるのでしょうね。

いやはや、一度この楽器を弾いてみてバレンボイムな気分を味わってみたいですね。日本のお金持ちの皆さん!一家に1台、バレンボイムピアノをご購入されるのはどうですか!!