昨日ご紹介したロンドン・サウスバンク・センターのインターナショナル・ピアノ・シリーズ。今年のシリーズを改めて全部眺めてたんですが、辻井さんの公演以外に特に気になったのがなにかというと、個人的にはエマールがやるシュトックハウゼンプロジェクトでしょうか。
上記リンク公演に加えてもう一つ、すなわち2日かけてシュトックハウゼンのピアノ曲と室内楽作品を弾きまくるという公演。近年流行りの「企画もの」ですね。一人の作曲家だけに(といってもベートーヴェンとかショパンとかではないですよ)焦点を合わせてひたすらそれだけを聴く、という企画。企画ものはうまく行けばチケットもよく売れますからね。
ところでシュトックハウゼンのピアノ曲って全ての曲を言い当てられる人がいったい世の中に何人いるのでしょうか。せいぜい100人もいないのではと思うのですがどんなもんでしょう。書いている私も全然わかりません。多分クイズ・ドレミファドンやカルトQに出てきても一曲も答えられない自信があります(自慢じゃないけど)。
一応シュトックハウゼンの作曲した全曲リストはここにあります。
http://www.karlheinzstockhausen.org/complete_list_of_works_english.htm
ポリーニはかつて、シュトックハウゼンなどの現代曲を演奏するよりもベートーヴェンを演奏することのほうが遥かに難しいのです、と語っていて、あー譜読みができる人っていうのは違うねまったく。我々の無能が腹立たしいと思ったものです。
それにしても今のクラシック音楽の最前線ってどんななんでしょうね。シュトックハウゼンたちがやってたみたいな前衛っていう言葉はもう確実に死語ですが、聴けば時代の雰囲気とかもわかるわけだし、映画でいうとゴダールとかパゾリーニの映画とか見るような感覚ですかね。
シュトックハウゼンって、解説とか読みながら聴けば、ちょっとだけわかったような気持ちになるけれど、やっぱわからんわ、って思います。わからんのがいいんですよと開き直るのもなんか違和感あるし、自分だけはわかっている、とうそぶくのもアホらしいし、ふわっとなんとなく聴いて、あ、いいな、と思ったらそれがいいのと違いますか、っていう風に結論づけたらコアなファンに叱られそうですけど、それがねもねも舎のスタンス。気楽でいいでしょ?だってねもねも舎なんですもん。
ところで昔ピアノ科の知り合いに聴いたんですが、ドイツのフライブルクかどこかに、88鍵で1オクターブというピアノとその楽器のために書かれた曲っていうのが存在しているらしいんですよね。
つまり、本来ピアノの音というのは一番低音のラの音から最高音のドまであるわけですが、その鍵盤全部をつかってやっと1オクターブになるというもの。説明が下手ですいません。そういうピアノがあるらしい。それを使った曲があるらしい。それもシュトックハウゼンかだれか、いわゆる前衛の巨人クラスが作曲した曲らしい、ということしかわからないんですが、誰かその曲知っている人いませんか。
もしもYouTubeなんかに転がっていたら聴いてみたい聴いてみたい聴いてみたあああああい!!