我らがフレンチの天才、ピエール=ローラン・エマールが、長年のパートナー、ドイツ・グラモフォンを離れ、ペンタトーンと契約を結んだというニュースに驚いています。
http://www.rhinegold.co.uk/international_piano/pierre-laurent-aimard-signs-pentatone/
レコーディング業界はもはや青息吐息、アーティストに大量に買い取ってもらったり(要するに自己出版みたいなもの)して、なんとか生きている。あるいは、新たにアーティストと契約をする際には「あなたは今後どれぐらいコンサートがあるのか」とあからさまに聞かれることもあるそうです(即売&サイン会での販売に期待している)。
で、ペンタトーンからリリースされる最初のエマールのアルバムというのは2018年5月、メシアンの「鳥のカタログ」全曲だそうです。こういう作品は、まあ、手間はかかるわりに、、、、売れませんよね。グラモフォンといえど、音源が売れないことには会社が回らぬ。
チョ・ソンジンのグラモフォンの録音は爆発的に売れましたからホクホクでしょうが、エマールの鳥のカタログ・・・なら、売れたとしても数百枚程度ではないかと想像いたします。メシアンだし、長いし、抽象的だし。でもエマールは先日オールドバラ音楽祭で全曲を演奏していることもあって、どうしてもリリースしたい、なのでペンタトーンと組んだ、ということではありますまいか。現実は厳しいのであります。
ペンタトーンとしては、グラモフォンほど規模の大きい会社ではないから、エマールと組むことで会社全体のPRにつながる、と読んだのかもしれません。ペンタトーン、知らない方のため公式サイトはこれです。
https://www.pentatonemusic.com/
その一方で、ツィメルマンの25年ぶりの新譜がリリースされる、とドイツ・グラモフォンから告知がありました。シューベルトのソナタD959とD960最後のソナタです。
日本でも何年か前に披露したプログラムですね。スタジオ録音かライヴかはわかりません。とりあえずこれは速報なので、今後また詳細が発表されるでしょう。これは・・・・売れのかな?少なくともエマールの鳥のカタログよりは売れるでしょうね。