1/19火曜日にJTアートホールでリサイタルを開くカバッソさんは優れたピアニストであるだけでなく、パリ国立高等音楽院にやストラスブール音楽院で後進の指導にもあたっている名教師でもあります。こないだショパン国際コンクールで優勝したチョ・ソンジンも教えているよ。
なので今日は留学についてお話を伺ってみましょう。フランスへの音楽留学についてざっくりと聞いてみました。留学はいつするのがいいんでしょうね?
留学はいつするのがいいのか?
回答が帰ってきました・・・「留学するなら若いほうがいい」
私達が学生だったころ(いつなんだろう・・・もう忘れてしまった・・・)、留学するのは日本の大学を出てから、とよく言われたものですが、留学経験のある方々に聞くと、口をそろえて、留学は早いほうがいい、と言われます。この人達は大体大学を出てから行っているのですが「それでは遅い」と皆言います。なぜなら日本の大学を出てから向こうの音楽院に行くと、周りがもっとずっと自分よりも若いので、取り残されてしまうそうです。
脱線しますが、フランスの子どもたちは初見能力や即興能力が高いそうです。これもやはり子供の頃からきたえられているからでしょう。また、どんなにピアノがへたっぴな子でも、ピアノを弾くとちゃんとピアノが歌っているそうです。
その逆に、日本の子は間違えずに弾けるけど全く面白くも何ともない、というケースが多いですね。日本の教育には、自分で物事を考える、という視点が欠落気味です。詰め込み教育をしてしまいがちで、「なぜ」という単語がないのです。なのでこういうことが起こる。
脱線しました。カバッソさんのお話を続けます。
パリ国立高等音楽院(フランスの音楽教育の最高学府ですね)にカバッソさんが入学したのは13歳のことだったそうです。同じような年齢の生徒にジャン=イヴ・ティボーデなどがいたそうですが、ティボーデの演奏を聞いて「ワオ!と思った」らしいです。
若い頃から優れた才能同士で切磋琢磨することは非常に大切だと思うとのこと。
ただし、そのためには言葉が出来ないといけないので、留学前に勉強はしないといけないし、留学をしてからも一生懸命言語の勉強をしないといけないでしょう、とも。
外国人率が高いパリ国立高等音楽院
パリ国立高等音楽院は外国人の比率が非常に高いらしいです。「昔はフランス人枠があって、その下に外国人枠があったんだけど、今はなくなっちゃったよね。学年にフランス人が3人とか4人とかしかいない年とかがあったりして、さすがにそれはしんどいなと思ったけど」
サッカーの本田選手が、もっと若い時に海外に行きたかった、といっているのを最近読んだのですが、ピアニストだってそうじゃないかと思うのです。若いピアニストは積極的に海外に出て行くべきだと、ねもねも舎も信じます。若い読者の皆さん、自分の未来は自分で切り開いて下さい!
もしも早々と留学して、ものにならなかったらどうする?と思うでしょうか。日本の大学を出ていないと「つぶしがきかない」とか、そういう風に考えますか。
もしそう考えるのであれば、留学はやめたほうがいいです。そういう考えをしている人は、留学しても絶対に成功できません。
あと、日本の大学を出たからといって、就職できるわけではないので、二重の意味でその考えはだめかな、と思います。
いずれにしても、いきなり留学するのではなく、フランスでは夏などにあちこちで講習会をやっているので、そういうところに出かけて行って「いろいろな先生にレッスンを受けてみるのがよいでしょう」、ともアドバイスをいただきました!「そして自分にあった先生をみつけること」これが留学への第一歩です。
今はインターネットでそういう講習会はいくらでも見つけられるし、申し込むこともできますよ!
そしてカバッソさんは、ねもねも舎舎員6号さんと共に、名古屋の夜へと消えていきました。明日は名古屋宗次ホールで公演です。