知り合いの音楽家がANAで悲惨な目に遭った話

知り合いのヴィオラ奏者、赤坂智子氏が、先日、日本からフランクフルトに帰る際に、ANAで搭乗拒否に遭ったという話をしていて、拡散希望と書いているので、このサイトでも採り上げることにいたしました。詳細は本人のFacebookのページをご覧ください。音楽家とは大変な職業なのだということの、一つの面を知っていただけるのではないかと思います。旅がたくさん出来ていいね、なんて思うのは甘い。

怒り、興奮冷めやらぬという口調で書かれているけれども、サイズのことだけでなく、いろいろとANA側の対応は残念(対応の失敗例)だと思います。

ピアノと違い、ヴィオラという楽器は持ち運びが出来ます。それは幸いなことでもあり、時として飛行機に乗る際にこのような不運をもたらすことになる。いや、これを不運と言っていいのかというと、今回の場合は人災かな、ということになるのかもしれません。

つまり、「あたった担当者が悪かった」・・・ああ。

なぜなら世界中でヴィオラ奏者は楽器を持ってフライトに乗りまくっているが、必ずこういうトラブルになるわけではなく、むしろトラブルになるケースは低いからです。実際に統計とったわけじゃないけど。

航空会社に知り合いがいないので、実際に現場でどういう規定で荷物もちこみをオーケーにしているのかわかりませんが、個人的な感想でも、厳密なサイズに従っていないということは明らかです。

個人的には(自分はないけど、だれか音楽家と行動を共にしていて)、サイズオーバーしている荷物を持ち込もうとしてNGだった体験はありません。あとチェックインラゲッジの重量オーバーも、ほんの少しの場合は問題なく通過していきます。でも現実、今回の赤坂さんのケースと同様、引っかかって悲惨な思いをするケースもある。みんな疑心暗鬼。

会社としてはっきりしたほうがいいと思うのですが、きっちりと線引は出来ないのでしょうかね。この品目はどうか、とかあれはどうだ、とかいちいち言い出すときりがないから現場の判断に任せてるってことでしょうか。

それに弦楽器の値段や価値って本当にピンきりなのもまた事態を複雑化させているでしょうか。それこそ数万円の格安ヴィオラから億を越すようなヴィオラまであり、預けることが出来ない楽器もあれば別に預けてオッケーのものまである。空港の現場の人はぱっと見てその価値はわからない。だから、ルールを優先させる人に当たるとひたすら議論は平行線、ということなのでしょうか。担当者の立場にしてみれば、ルール通りにやろうとしているのに、なんで騒がれるのかわからない、目の前にいるのがモンスタークレーマーみたいに見えてしまう。対決の姿勢を鮮明にする、ってことでしょうかね?

今回は最終的には謝罪はあったようですけれど、赤坂さんはそのほかの対応もいろいろ解せないと書いています。「自分は責任をとりたくない」という人たちが不運にも今回のANA側に集まってしまったためにこういうことになったのではないかとも想像できます。あくまでも想像ですけれど。

今回の事例がきっかけとなって「規定のサイズ以上は一律だめにする、例外はなし」という規定が生まれないことを希望します。いや、そうであってもヴィオラぐらいまではオッケーにしてほしい。・・・っていうのは音楽家側に立った、わがままな意見でしょうかね。