スクリャービンの練習曲42-5はご存じですか。え、知らない。そんなあなたにはぜひお知らせしたい。聞き飽きた、そんなあなたも、ぜひ。
スクリャービンの42-5は全スクリャービン中最強の作品だと思うのは私だけではありますまい。ぞくっとする、という言葉がふさわしいと思います。実にセクシー。この曲の美しさは、やばい。
スクリャービンの作品中、直感的にぞくっと来る作品の最高峰、それが42-5ではないかと勝手に思っているわけです。異論のある方多いでしょうが、まあゆるしてよう。好きなもんは好きじゃけん。
じゃあまずホロヴィッツ。楽譜も一緒にご覧下さい。ぱっと見た感じ、こんなのどうやって弾くのと思いますよ。ホロヴィッツも指がもつれかかっていてかなり怪しいが、半ばぐらいに出てくるメロディーラインの扱いが猛烈に美しいのと、後半の低音の強打は無敵であります。ホロヴィッツ、神であります。
ガヴリーロフ。意外に(?)消化不良で面白みが不足。左手が弾けすぎてるのがいけないのかな。
ソコロフ1969年。粗いが炸裂するパワーは強烈でガヴリーロフより高い熱量。
テレンス・ジャッド。ちょっとしんどい。
ソフロニツキーのライブ1960年。モスクワ。クリアにかつ凶暴に演奏している。
スタニスラフ・ネイガウス1966年パリ。ご存じブーニンのお父さん。悪くはないんだよね。けっこういいんだ。
リヒテル1972年ワルシャワ。ぶっきらぼうですな。
リヒテル1952年モスクワ。貧弱な音源の奥から恐ろしいパワーと怒りを感じられる。
キーシン。この人には色気というものがあまり感じられないのですがこの曲でもまたしかり。素晴らしく立派な演奏であることには間違いない。
ベレゾフスキー。連続して聞きすぎてだんだんわけがわからなくなってきた。
トリフォノフ。汗だく。暑そうっていうか部屋が寒いからこっちが風邪引きそうっていうか横顔が怖い。シリアルキラーみたいに見える。
ベルマン。叩けゴンゴン!
ジルベルシュタイン1985年。カセットテープで撮ったのかな。なかなか。
ホジャイノフ。けっこういけている。意外と燃える。
YouTube上にはまだありましたが、疲れましたので一旦ここで終わりといたします。やはりロシア系の演奏が多かったのと、今回聞き比べてみてやはりホロヴィッツのスクリャービンは神だと思えたことはありがたいことでした。
・・・だれかホロヴィッツを超えてくれよ!!