開催時期:2018年3月17日(土)-4月21日(土)
公式サイト:https://www.heidelberger-fruehling.de/
世の中、普通のコンサートでは人を集めにくい。人を集めるには、タレントに加えて、ストーリーやらそういうのが必要になってくるわけです。コンサートをするからには人に集まって欲しい=話題になってほしいですしね。
例えばですが、ただ単に、誰かがピアノリサイタルをします、と言っても、それだけではなかなか大きなチケットは売れない。反対に、こういうテーマ性で、とやっても、アーティストが無名などで魅力がなければ同じように話題にならない。両方が合致することで、人が集まるのですよね。偉そうに申し訳ありません。
昨日ドイツの「ハイデルベルクの春音楽祭」のサイトを眺めていたら、よくわからない公演(シリーズもの。公式サイトによれば「音楽祭のなかの音楽祭」)がありました。これがなんだかけっこうなマラソン企画だったので、うなってしまいました。
これは、見たいか?見たくないか?
イゴール・レヴィットが中心となって恐らく決めたのだと思われるこのマラソン企画のテーマはずばりアメリカだそうで、なんだかんだと本人もこのインタビューページでコメントをしています。
しかしなぜかシューベルトだけのコンサートがあったり、普通に最後のコンサートはブラームス、アムラン、ラフマニノフだったりと、ちょっとテーマに無理矢理感が拭えませんが、なにはともあれ、とりあえずスケジュールが鬼だったので書き出してみますね。
●3月22日(木)
19:30 レヴィット、ベイルマン (52-15EUR)
Schönberg: Ode to Napoleon Buonaparte
Beethoven: »Eroica variations«
David Bruce: »Gumboots« for clarinet and string quartet
Beethoven: Piano trio G Major op. 1 No. 2
●3月23日(金)
11:00 ベイルマン(19EUR)
Beethoven: violin sonata No. 5
Britten: Suite op. 6
Rzewski: Demons
14:00 about america’s freedom and its lack of freedom (0EUR)
15:30 アムラン (15EUR)
Ives: Sonata for piano No. 2 »Concord Sonata«
16:45 ベイルマン+アムラン (19EUR)
Haydn:Piano trio No. 40
Piano sonata No. 48
Piano trio No. 44
19:30 the benny goodman show (45-10EUR)
22:00 アムラン (19EUR)
Morton Feldman: Piano and String Quartet
●3月24日(土)
11:00 ジャックQ (19EUR)
Haydn: String quartet »Sunrise«
Glass: String Quartet No. 8
Mendelssohn: String quartet E flat Major op. 12
A.Williams: Richter Textures 19EUR
14:30 rethink the usual – the other gaze on music in migration and exile (0EUR)
15:30 ベイルマン (19EUR)
Krenek:Suite op. 84 violine sonata op. 99
Hindemith: Clarinet Sonata / Frog He Went A-Courting: Variations for violoncello and piano
Hanns Eisler: Prelude and fugue about B-A-C-H for string trio op. 46 / String quartet op. 75
19:30 ファウスト、ケラス、メルニコフ (52-15EUR)
Schubert:
»Sei mir gegrüsst!« D 741
Fantasia D 934
»Viola« D 786
Arpeggione sonata D 821
»The trout« D 550
Piano quintet D 667 »Trout quintet«
22:00 レヴィット
»Standpunkte« Late: Igor’s Ragtime (19EUR)
●3月25日(日)
11:00 ケラス、アムラン (52-15EUR)
Brahms:Sonata for violoncello and piano No. 1 E Minor op. 38
Hamelin:»Four Perspectives« for cello and piano
Rachmaninow: Sonata for piano and violoncello G Minor op. 19
どうです?木曜から4日間にまたがっていて、金曜日と土曜日は終日イベント。木曜は夜、日曜は朝、ということで全部ぎゅっと詰まっている。
というか、この音楽祭はそもそも1ヶ月ぐらい続くんですが、他の日もけっこう朝から晩までイベントがあったり、同時刻に始まるコンサートがあったり、またある日はチョ・ソンジンとソコロフのリサイタルが連続して聴ける日があったりとスケジュール感覚がむちゃくちゃ。(同じ日に複数イベントがあるヨーロッパの音楽祭は少なくない、もしくは増えているんですが、ここは多い方に属すると思う)
この音楽祭、昔からこうだったのでしょうか。すいません、三歩歩けば全てを忘れるだめだめなねもねも舎にはわからない。昔はこんなんじゃなかったとすればこれはラ・フォル・ジュルネという気狂いピエロ的な音楽祭がもたらした影響、その結果なのだろうな、と思います。フォル・ジュルネすごい、こわい(あくまでもフォル・ジュルネの影響だとしたら)。
音楽祭全体のスケジュールはこのページ:
https://www.heidelberger-fruehling.de/en/heidelberger-fruehling/programm/kalender/
いやこれ、本当に中の人が大変なんだろうな、と身震いいたします。この1ヶ月のために1年かけ準備するのでしょうが。何人で回してるんでしょうと思ったらスタッフページがあった。21人いますね。やっぱりたくさんいるな。こんぐらいいないと出来ないでしょうね。
裏方の人にインタビューとかしてみたいですよね。だれかインタビューやってくれないか(人頼み)