別府のアルゲリッチ音楽祭が今年20周年を記念してローマ公演を計画しているそうです。今年の12月。内容は決まってはいないようですが、サイトに出ている情報を見る限り室内楽っぽいですね。もちろんアルゲリッチを中心にした室内楽。
http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/01/19/JD0056537282
こういう日本から行く海外公演ってわりと難しくて、オーケストラとかも海外に行くことがありますがあれはどちらかというと(はっきりとこんなことを書くと申し訳ない気もしますが)、記念旅行的な意味合いが強く、地元の音楽ファンの関心は低い~ほとんどない、というのが現実。会場に来るのも日本人かその関係者の割合が非常に高い。何もチケットを買って日本人演奏家のコンサートなんて行く気にならない、招待されたら行ってもいいかな、いやそれでも行かないかな、というのが多くの地元の人たちの本音かと思います。
そう、日本という国はヨーロッパからすればエキゾチックな魅力を放つ国「ジパング」というちょっとしたあこがれの感情も持たれる国なのですが、反対に日本から行く訪問コンサートは魅力を持たないというのが現状。これが将来的に逆転とかすればすごいんでしょうが、サッカーやラグビーなどと同様、トップレベルでの太刀打ちは、少なくとも現状では全く出来ない。全く(だれも逆転を望んでいないかもしれませんが)。
アルゲリッチ音楽祭の場合も、アルゲリッチという名前を活かしつつ、どこまで「記念旅行」的風合いを消せるかがポイントでしょう。お上りさん的な雰囲気が出たら負けだと思うんですよね。「俺は、私はアルゲリッチとイタリアで演奏した」と、帰ってきてただいばるだけの人になったら負け。
そしてこのローマ公演は、へえ、大分?どこ?温泉?・・・エキゾチックジャパン!となっていただく、そういうインバウンド的なPRをする場として使う、という意味でも使えるはず。バランスは難しいかもしれませんが、普通にローマ公演に行ったとしてもなかなか相手にしてもらうのは難しいでしょうから、そこはぜひ音楽祭や関係者の皆様に趣向を凝らして頑張っていただきたいと思っております!頑張れアルゲリッチ音楽祭!!