カナダのモントリオール国際コンクールは今年、ピアノ部門が開催です。しかしなんでピアニストが浮いてるのか(上画像)。
モントリオール国際コンクールって、歴史はけっこう浅いです。出来たのが2002年。でも前回のピアノ部門では2位がシャルル=リシャール・アムランで、ケイト・リウも入賞しています。前々回の優勝者はベアトリーチェ・ラナです。そういう意味では近年注目のコンクールと言っていいかもしれません。
今回は今年の5月1~12日まで。だれが優勝するのでしょうね。優勝しないにしても素晴らしい演奏家が出てくるといいですね。
シャルル=リシャール・アムランはショパン国際でも2位でしたがもしかするとこれから伸びて行く可能性を十分に秘めている。東京芸術劇場で開催されたショパン国際コンクールのガラ・コンサートを聴きましたが、なんとなく、アムランとソンジン、この二人が伸びていきそうな予感がしました。
それはさておき、審査員に気になる名前がありました。一人はガブリエル・タッキーノ。いやー、まだお元気なのですね。プーランク唯一の弟子、と言われているフランスの大御所ピアニストです。ご存知ないという方、詳細はウィキペディアとかご覧下さい。
そもそもがすごく名前を見る、という人ではありませんが、まだ現役なのですねー。もうすごいお年なのでは?と思ってみましたところ1934年生まれとありましたので82歳か83歳。こんなご高齢でコンクールの審査員をしようかというその気力、体力に驚きました。素晴らしい。
もう一人は・・・ダグラス・シェルダン。この人はピアニストではなくて、アメリカのコロンビア・アーティストという音楽事務所の偉い人です。CAMI(カミ)という略称で呼ばれているこの事務所は、一時期はアメリカの音楽業界を牛耳っていたと言われるほど強い影響力を持っていました。最近その影響力は落ちてきたと言われますが、まだまだ強いでしょう。カラヤン、バーンスタイン、小澤、レヴァインなど錚々たるメンツが所属していました。
このダグラス・シェルダンという人は、名前を知らない人がほとんどかもしれません。しかし例えば一昨年のチャイコフスキー国際コンクールで有名になったルカ・ドゥバルグを所属させ(このページにドゥバルグの名前が載っている)、世界に売り込んでいる人だと聞けばなるほど、、と納得される方も居られるでしょう。
音楽事務所の偉い人が審査を務めるというのはどういう意味があるのか。そう、コンクールからビジネスの世界へと一直線に繋げる事が出来る、という意味です。芸術にビジネスを持ち込むことの是非も問われるでしょうけれど、コンクールを受けに来る若いピアニストにしてみれば、コロンビア・アーティストなんて、普通は夢のまた夢のような存在だと思うんです(勝手な想像ですけれど)。彼らもカミが来るとあればなんとしてもアピールをしたい所でしょう。
エントリーは今月半ばに締め切られていますが、今回はコンクール史上最高の申込があったらしいです。数字だけですけれどここにリリースがあります。304人いる!
pdfファイルです
https://concoursmontreal.ca/wp-content/uploads/2017/01/PRESS-RELEASE_CMIM_Piano-2017_Candidates.pdf
いや、タッキーノやダグラス・シェルダンがいるからこうなったという訳ではない・・・か。