中村紘子さんはやはり偉大な存在でした。
毀誉褒貶相半ばというのでしょうか、いろいろと言われる方もいました。わたくしに面と向かって痛罵するピアニスト(外人)にも会ったことがありますけれど、でも日本のピアノ界に残したものは大きいと思います。本も面白いしね。
本は全部、夫が書いてるんだろ(庄司薫=芥川賞作家)とか言う悪口も聞いたことがありますけれど、書いてたっていいよね、おもしろいんだもん。全部読みましたよ。最高に面白かったです。さくさく読み進められて、ためになる本、なかなかクラシック音楽の関係者で書ける人も少ないと思います。
アカデミーとか(コンクールとかもそう)始めちゃったらやめるのが大変、とはよく聞きます。お亡くなりになってすぐに終わっちゃうのは、やはりいろいろ言われていても中村紘子さんの力があったから続いていたのだ、ということになりはしますまいか。
浜松ピアノアカデミー終了へ(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20170121/CK2017012102000075.html
東京ではあまり知られていないし、あまり採りあげられることもないかもしれませんが、このアカデミーの講師陣の充実振りは凄いですよ。むちゃくちゃ豪華、むしろ豪華すぎる。ケマーリング、カツァリス、ウンガー、ベロフ、ペトルシャンスキーとか、世界でもトップクラスの国際コンクールで審査員をしている講師陣です。これまでの全員の名前がサイトに出ていますから、知りたい人はここから見てね。
世界中のコンクールで審査員をしていた中村紘子という人がいたからこそ呼べた名前です。きっと審査員同士で仲が良かったのでしょう。ヒロコが言うなら行こう、と思ってくれたということです。人気者だったのです。紘子先生は(推測)。
このアカデミーではコンクールもやっていて(浜松国際コンクールと混同されがちですが別のものです)入賞者のリストはなかなか充実しています。素晴らしい事です。ベアトリーチェ・ラナ、イゴール・レヴィット、ソン・ヨルム、アレクセイ・ゴルラッチ、チョ・ソンジン、ヤン・リシエツキなど若くて優秀なピアニストの名前が見受けられます。アリスとモナのオット姉妹の名前もあるよ。
コンクール入賞者、全員のリストはここにあります:
http://www.actcity.jp/hacam/PianoAcademy/history/archives/
一つの時代が終わったと言う事を実感しますね。