だいぶ前のねもねも舎のブログ、ピアニストのボリス・ギルトブルクがオクターヴのテクニックについて語っている動画の最後、何を言っているのか聞き取れない、という情けないねもねも舎ブログに対して、「聞き取れた」というコメントを頂戴しました。しかもアメリカから・・・!ありがとうございます。
問題の動画はこれ。ドヤ顔のボリスが憎いね。
最後の決めゼリフのチャイコフスキーがなんとかかんとか、と言っているところが何度聞いてもわからなかったのですが(語学力不足)、
“they were saying that Tchaikovsky did not know how to write for the piano.”
と言っているのではないか?とのこと。言われて聴き直してみれば、もう絶対そうですね。ありがとうございます。アメリカ在住のAsako様、感謝致します!ドヤ顔のボリスにも・・・感謝致します。そうか、チャイコフスキーはピアノ曲の書き方を知らなかったと人々は言っていた、と。
というわけでギルトブルク。
Boris Giltburg
https://www.borisgiltburg.com/
新しい録音の評価が高いようですね。ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲2曲に、弦楽四重奏の編曲もの。いいですね。昔、ベートーヴェンの時代とかはオーケストラ曲とかも、室内楽用に編曲したり、ピアノに編曲したりして出版されましたがそれというのも、個人であるいは仲間同士で音楽を演奏して楽しむという目的もあったとか。
ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲をピアノ1台版に編曲するとどんな音がするのかなと思って聴いてみましたけれど、意外な程すっと入って来ますね。ピアノで聴いても全く違和感がない。特に8番がいい。
Naxosの有料会員の方は以下のアドレスで全曲聴けます。
http://ml.naxos.jp/album/8.573666
ショスタコーヴィチの交響曲はものすごくカラフルだったりしますけれど、この弦楽四重奏曲はそこまでカラフルではなくて、どちらかというとモノトーンに近いかもしれません。(この曲、第8番は第二次世界大戦の爪痕にインスピレーションを受けて書かれているとされていますね。)そういう意味ではピアノに移し替えても違和感がないのかも。
いやでも、もしかするとこの違和感のなさは、ギルトブルクの演奏の切れ味にもよるのかもしれません。このギルトブルク版の楽譜が世の中に出版されるのかどうかは判りませんけど、実際に弾いてみると「激ムズ」の可能性もあります。2楽章とかやたらこみ入ってそうな感じもしますし、出版されたところで弾ける人がいないかもしれません。
・・・いやどうしてもいますぐ弾きたい!という奇特な人は耳コピ(自分で楽譜にしてみる)するか、カルテットの楽譜を見て弾くのがよろしいかと(それが簡単にできれば苦労しないんですがね・・・。ピアニストの多くはハ音記号うまく読めないと思いますし。なお、ハ音記号が何の事か判らないという方、こちらとかで読める説明をご覧下さい。ヴィオラとかチェロとかによく出てくる(ピアニストにとっては)なかなかやっかいな記号ですよ。
というわけでひょっとするとピアノの録音に「編曲もの」という新たなジャンルの波が、これからもしかすると来るかも知れません。来ないかも知れません。いい加減ですいません。
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