アルフレッド・ブレンデル(1931- )の事はもう、みなさんは忘れてしまいましたでしょうか。
ブレンデルと言って一番似合いそうな言葉はずばり「偏屈親父」なんですけど(勝手な思い込み)、知性派で、洞察力とか深掘りとかそういう感じで高く評価されてきました。ピアノの技術はそれほどすごいというわけではないのですが、真面目なんですよね。ともかく真面目です。祖国での評価も非常に高かった。フィリップスへの数多くの録音でも有名です。
ブレンデルはドイツ語を母語とするオーストリア人ですが、ドイツ語のことをあまり評価していなくて英語で詩を書いたりしてましたよね。うん、偏屈。イギリスに住んで長いはず。アメリカに居を移したという情報もありますけど、いずれにしても英語圏。
ブレンデルが引退したのはいつのことだったか憶えてますか。すっかり忘れていましたが、調べたところ2008年だそうです。2008年12月18日のウィーン・フィルとの公演を持って引退した。生前に引退したピアニストってそれほど多くないのでけっこう話題になりました。ピアノという楽器は身体にとってバランスが取れている、とかよく言われますが、無理なく両方の腕をそこそこ均等に使うので、年老いてからも演奏が可能。ホルショフスキとか99歳まで弾いてましたしね。
でもブレンデルは77で引退。仕事から引退すると割合すぐに亡くなってしまう男性も多いとはいいますが、ブレンデルは今もお元気。先週土曜日にはロンドンのウィグモアホールでレクチャーをしたと。ウィグモアホール、完売してたそうです。はい。一時間ぐらい、ピアノを弾いてみせたりしながら熱量の高いレクチャーをしたようです。
ブレンデルの誕生日は1月5日、つまりいま現在86歳だそうです。実際に聞きに行ってきた人のレビューによれば、「ピアノの技術は全く衰えていなかった」そうです。まだまだお元気だと言うことです。
ツイッターで写真をアップしている人もいました。遠かったりちょっとぼけていたりするけれど。
Alfred Brendel talking about Schubert's last sonatas this afternoon at @wigmore_hall 🎶🎹 pic.twitter.com/bZ2TUxhGjv
— Karen McLernon (@BBB_Mrs) 2017年1月7日
The genius of Alfred Brendel only dwarfed by Schubert himself in first of @wigmore_hall #BrendelLectures #LastSchubertSonatas pic.twitter.com/gp3ofgWtg4
— ChristopheKasolowsky (@Kasolowsky) 2017年1月7日
おお、写真で見る限り、まだかくしゃくとしておられるご様子!
今年は連続して、6月と7月にそれぞれベートーヴェンの最後のソナタ、それからモーツァルトについてのレクチャーを同じウィグモアホールでやるそうです。料金はわずか20ポンド!
ファンの方はぜひロンドンへ。それほどファンじゃないけどブレンデルが見てみたいロンドン在住者はウィグモアへGO!