何度も書いていると思いますが、ヨーロッパではわりと簡単に演奏家がキャンセルします。そして代役が出てきます。
根性論が大好きな日本ですと、ふざけんな風邪とか言ってキャンセル?俺の時間を返せ!ていうかまずは金返せ!もう二度とこいつの公演には行かない!と激怒する方が続発します(で、二年もすればそんなことはケロリと忘れてまたチケットを買う)が、ヨーロッパではそんなことはなくて、普通にキャンセルからの代役公演を楽しまれる方が多いです。
今回は内田光子さんがロンドンの、サウスバンク・センターでのリサイタルを健康上の問題でキャンセルしました。今夜(2016/04/26)の公演です。
こういう時に代役に出てくるのはどういう人かというと、これまた日本の感覚では全く意外ながらも若い人だったりするんですが、今回は違います。なんとクリスチャン・ツィメルマンが代役で弾くということだそうです。
該当ページ:
http://www.southbankcentre.co.uk/whatson/mitsuko-uchida-26042016-90349
ちょっとびっくりですね。ツィメルマンというと、年間の公演数を厳しく制限しているとか、ピアノは必ず自分のピアノを持ち込むとか、わりと、かなり、まじめに、相当ストイックなことで知られているピアニストですから、代役を受けたということ事態がちょっと軽いショックなわけです。たまたまロンドンから近いところで公演をしていたんですかね・・。打診を受けた時機嫌が良かったんですかね。
個人的には、ヨーロッパでツィメルマンがキャンセル→代わりにアンデルジェフスキが出演、という経験もしているのですが、まさか逆のパターンがあったとは、と、驚いています。
ロンドンのお客さん的には結果としてどういう反応があったのか、興味がそそられるところではあります。
なお、オンラインチケット販売サイトをみるとかなりの残席があるのが見て取れますが(上の画像)、変更に伴いキャンセルが多数出たのか、もともと売れていなかったのか、それはわからないんですが・・・。
内田光子さんの素早い体調回復をお祈りいたしております。