ヴァン・クライバーン国際コンクールは、アメリカで最も重要なピアノのコンクールだと認識しています。
ただ、中村紘子さんはじめ、このコンクールで優勝した人は大成しないとかいろいろ言っている人は多い。それでもこのコンクールから有名になっていったひとたちはたくさんいますし、なんだかんだいって世界的にかなり注目されているコンクールの一つだと思うのです。
前回2位だったベアトリーチェ・ラナ(イタリア)もヨーロッパで名前を出し始めています。Solea Artistsという、パリにあるわりにメジャーな事務所に所属していますし、先日ボルレッティ=ブイトーニ財団のフェローシップ賞を得たこともあって、彼女の前にチャンスは広がっています。
・・・というクライバーン国際コンクールですけれど、アマチュア部門があって、その申込締め切りが3月1日なんだそうです。こんなものがあるとは不勉強ながら知りませんでした。去年ジュニアコンクールを初めて開催したのは知っていましたが。
公式ページ:
http://www.cliburn.org/competitions/amateur-competition/
このアマチュアコンクール、今回で7回目の開催らしいです。6月19-25日の開催。アマチュアなので、プロフェッショナルを目指す人の参加はだめ。若い人もだめです。ルールが面白いですね。
Applicants must be at least 35 years of age as of June 19, 2016.
Applicants should be those who play piano for pleasure; they may not perform, teach, or compose piano music for their primary professional pursuit or financial benefit.2016年6月19日時点で35歳以上であること。
趣味としてピアノを弾く人でないといけない。演奏で、教師として、ピアノ作品の作曲、いずれかが主な職業であったり、収入源であったりしてはいけない。
・・・ま、そうだわな。
そして、最近の国際コンクールはエア代や宿泊費を負担してくれるケースが多いですが、このコンクールはもちろん負担してくれません。ただし練習場所は提供してくれるらしいです。賞金総額もめちゃくちゃ低くて、1位で2,000ドル、2位1,500ドル、3位1,000ドルだそうです。日本から参加すると絶対に足が出ます。まさしくアマチュア、「趣味」の世界ですね。
Several social events, as well as opportunities for chamber music collaboration, community performances, and symposia, will be organized during the course of the Competition.
あと、上にある通りコンクール中にソーシャルイベント(パーティーとかかな?)も何度かあり、室内楽、コミュニティーパフォーマンス(アウトリーチのことかな?)、シンポジウムなんかもあるらしい。
このあたりにも、ガツガツしたプロ志望若者向けコンクールとの違いを感じますね。
ところでこんな低い賞金で受けにくる人がいるのかな?と少しだけ思うんですが、いるんでしょうね。じゃなければ7回目まで開催しましょうというようなことにはならない。