ピアノに鍵盤はいくつあるか。88鍵ですねというのが正しい回答。
有名な例外はベーゼンドルファーのインペリアルです。低音がずらっと増えて97鍵あります。
これによって豊かな倍音が出る、らしいですがいう、あまり広く使われているとは言い難い。あの楽器が好きな人向けであって、立派にコンサートホールの一角を占めるようになっているとは言い難い。
低音が増えた、というこ有名な例としてドビュッシーの「喜びの島」という作品があります。この曲の最後の跳躍がかなり危険なのですね。譜例はこうです。
最後の「ラ」の音を出し損なう例が続出なわけです。でもインペリアルなら大丈夫。音が外れて低くなりすぎてもソの音が出ますから。あまりにも低音なので、多くのお客様は間違ったかどうかがわからないんです!ラッキー!
それはさておき、先日、おどろきのピアノを発見しました。フランスのStephen Paulello (ステファン・ポレッロとか読むのかな?)という人が作った102鍵の鍵盤が最近リリースされたようです。(よく見ると弦もクロスしていません。)
うーん。音域を広げればいいというものではないのだろうけれども、でもちょっと気になりますね。ちなみに、調べてみたところ、102鍵の鍵盤というのはオーストラリアのメーカーもつくっているようです。
Stuart & Sons
http://www.stuartandsons.com/
どういう音がするのか、まったくもって気になるところですが、それと同時に、なぜスタインウェイやヤマハなどの大手は88鍵のままなのか、という点にも何かヒントが隠されているような気がします。
Stephen Paulello のサイトやYouTubeにも幾つか音源がありますけど、実際に自分が弾いた時の感触まではYouTubeではわかりませんから、どんなもんだか、気になります。弾いてみたい。でも日本では難しいような気がしています。